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2014年02月12日 (水)人事労務

2014年の春季労使交渉がスタート!安易な昇給は総額人件費を増大させる

今年も春闘が本格的にスタートしました。
アベノミクスにより賃上げムードが漂っていますが、定昇にせよベアにせよ賃上げには「総額人件費管理」という視点が必要となってきます。

賃金額の決定に当たっては、中長期的視野に立った総額人件費管理の徹底が求められることになります。そのためには、企業が生み出す付加価値額が総額人件費の原資になり、その増加率を踏まえて支払い能力を考慮していくプロセスが大切です。

ここで大事なのが世間相場や世の中の流れに乗って安易に所定内給与を引き上げないことです。所定内給与の引き上げは総額人件費をおよそ1.7倍にも増加させることになるからです。

その大きな要素を占めるのが社会保険料など法定福利費です。法定福利費は労使交渉によってコントロールすることはできません。また、厚生年金保険料率は毎年0.354%ずつ引き上げられており今後も負担は増加していくことになります。

みずほ総合研究所の試算によると、従業員500人以上の企業における2013年度の現金給与額の増加分のうち、およそ60%は社会保険料の負担額によって相殺され、従業員の手取り所得の増加額は約40%にとどまると推計されています。

また、最近の賃金制度設計の流れを見ていると、これまでの職能資格制度に基づく職能給から、職務を担う期待役割に応じて決定する役割給や、欧米のように職務評価に基づく職務価値に応じて決定する職務給に移行している企業が目につきます。

こうした背景から、ベースアップという概念とあまり相関関係のない賃金制度である場合には、ベアというよりは定期賃金改定として位置付ける方が馴染みやすいようにも感じます。

いずれにせよ、賃上げムードに流されず、総額人件費管理の観点から自社の支払い能力に合致した昇給を社内で検討していくべきでしょう。

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