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2014年08月11日 (月)人事労務

社員からのメンタルヘルス情報はプライバシーに属する情報であり会社に申告できない

東芝うつ事件(最高裁第二小法廷 平26.03.24判決)において、社員がうつ病などのメンタル疾患を罹患した場合、会社は社員から申告がなければそのことを知る由がない、という会社の主張が否認されました。

この事件は、従業員出がうつ病に罹患して休職し休職期間満了後に会社から解雇されたものの、うつ病は加重業務に起因するものであり、解雇は違法、無効であるとして、会社に対し安全配慮義務違反等による債務不履行または不法行為にも続く休業損害や慰謝料等の損害賠償の支払いを求めたものです。

裁判所は、業務の過程において、従業員が会社に申告しなかった自らのメンタルヘルス情報は、労働者にとって自己のプライバシーに属する情報であり、人事考課等に影響しえる事柄としては、通常の職場において知られることなく就労を継続しようとすることが想定される性質であったいえると判断しました。
さらに、使用者は、労働者にとって過重な業務が続く中でその体調の悪化が看取される場合、メンタルヘルス情報については労働者本人からの積極的な申告が期待しがたいことを前提としたうえで、必要に応じてその業務を軽減するなど労働者の心身の健康への配慮に努める必要があるとしています。

つまり、「入社時に、『健康は良好』といっていたし、本人から何の申告がなかったからむしろそちらの方が虚偽だろう」という会社の言い分は今後通用しなくなると考えられます。
今後、企業は、従業員のメンタルヘルス情報はプライバシーのひとつと考えつつ、健康管理に積極的にかかわっていかなければ本件のように安全配慮義務違反に問われる可能性が高くなることを十分認識して日頃の労務管理に当たらなければならないでしょう。

 

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