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2015年06月22日 (月)海外労務

そもそも「海外赴任」とは何か?

海外赴任とは、「海外の事業場に所属し、その事業場の使用者の指揮に従って勤務すること」とされています。

海外赴任は、①国内企業の海外支店、営業所へ所属を移す「配置転換」、②国内企業に在籍のまま海外関連企業(現地法人、合弁会社、提携先企業など)の従業員や役員として海外企業の業務に従事する「出向」、③国内企業では退職の手続きを取ったうえで海外関連企業へ移籍し、従業員や役員として海外企業の業務に従事する「転籍」の3つに区分されます。

海外出張と海外赴任の区別の基準は、実は曖昧で、厚生労働省の通達でも「勤務の実態によって総合的に判断させるべき」との表現しかされていません。結局のところ、どちらの事業場の指揮命令を受けて業務に従事しているかが判断基準の一つとなるといえるでしょう。

労働法の適用という側面から見てみると、労働基準法、労働安全衛生法、最低賃金法、男女雇用機会均等法などは、「属地主義の原則」によって、海外の事業所には適用されないことになります。属地主義の原則とは、海外赴任した場合、その国の法律の適用を受けることが原則とされるという考え方です。したがって、たとえば時間外労働については日本本社は法律上の割増賃金の支払い義務を負いませんが、後々、赴任者との間でトラブルになることも多いので、属地主義について海外赴任規程に明確に規定して周知しておくとともに、別途当該時間分を見込んで海外赴任手当を支給するなどの調整を要することになるでしょう。

また、労働者災害補償保険法についても同様に属地主義の原則により海外事業場では適用を受けませんが、第三種特別加入という制度があり、所定の手続きを経ることで海外事業場で被災した場合でも労災保険給付を受けることができます。

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