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2015年06月29日 (月)海外労務

海外現地法人への出向

社員を海外企業へ出向させる場合には、就業規則や入社時の誓約書などにおいてあらかじめ同意が認められるのであれば、それを根拠に命じることは可能となります。

また、入社時にはなかった海外子会社などの出向先を新たに設立し、就業規則に「海外への出向」と明示されていなければ、就業規則上の「出向」は、従業員も会社も国内の出向を予定していたものと考えられますので、就業規則上の条文だけを根拠として海外企業への出向を命じることは困難と言わざるを得ないでしょう。

企業のとるべき対策としては、トラブルを回避するためにも「海外企業への出向を命じることがある」と就業規則上でハッキリと規定することはもとより、海外赴任規程を作成してその中で触れておく方が従業員への周知という観点からも望ましいといえます。

しかし、就業規則上において、これまで単に出向というだけだった条項を、「海外企業への出向」を新たに加えることが許されるのか、という疑義が生じます。つまり、新設することが就業規則の不利益変更の問題となるか、ということです。

この場合、労働契約法第10条をもとに検討することとなります。

(1)労働者の受ける不利益の程度

海外赴任ということを考慮すると労働者の受ける不利益の程度は非常に高いといえます。そのため、代替措置として海外赴任手当等の賃金補償は十分に検討すべき事項でしょう。

(2)労働条件の変更の必要性

大手金融機関や総合商社のように従来から頻繁に海外赴任をしている企業であればその必要性は高いといえるでしょうが、労働者の受ける不利益の程度が高いことを鑑みると、労働条件の必要性も高度化するものと考えられます。

(3)変更後の就業規則の内容の相当性

(4)労働組合等との交渉状況

(5)その他

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