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2015年11月20日 (金)人事労務法改正

是正指導でハローワーク新卒求人不受理へ

前通常国会で成立した「改正青少年の雇用の促進等に関する法律」は、若年者の円滑な就職実現等に向けた取組の促進や職業能力の開発・向上の支援を目的として、ジョブ・カードの普及、キャリアコンサルタントの登録制の創設などの施策が織り込まれています。

今回注目したいのは、この改正法の中で、適職選択の取り組み促進として定められている「ハローワークは、一定の労働関係法令違反の求人者について、新卒者の求人申込みを受理しないことができることとする。」という条文です。(同法第11条)

この制度は、賃金・労働関係違反で過去1年間において2回以上違反の指摘を受け、是正指導(是正勧告)されると「新卒求人不受理」となってしまう可能性が生じるというものです。毎年新卒採用を実施している企業が多いと思われますので、影響は少なくないといえるでしょう。

本来、ハローワークの求人は、職業安定法において「求人申込みをすべて受理しなければならない」とされていますが、今回の措置は、全件受理を定めていた職業安定法を特例的に軌道修正するものです。

不受理となる期間は、指摘された法違反が是正されるまでは当然不受理が続きます。是正後についても、その後さらに法違反を繰り返さないことを確認する期間として「6カ月間」を想定し、その期間についても不受理となります。

法違反により送検、公表されてしまうとさらに厳しい措置となります。送検後1年間は不受理とされますが、その1年後の時点で法違反が是正され6カ月間経過していないときは、是正後6カ月時点まで不受理期間が延びます。

また、今回の措置を実効性のあるものとするため、民間職業紹介機関においても同様の取扱いを行うとともに、ハローワークが求人不受理とした求人を取り扱わないよう促す規定を指針で定める意向です。

尚、この新卒求人不受理制度の施行は、平成28年3月1日です。求人環境は現在どの業種においてもほぼ売り手市場化しており厳しさを増していますが、法律分野からもシビアな対応を迫られていますので、就業規則の見直しを含め、今一度インフラ整備が求められます。若者を使い捨てにするいわゆる「ブラック企業」対策の一環ですが、思わぬところで労基署より是正勧告を受けることがないよう労務管理の精度を高める必要があると言えるでしょう。

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