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2017年01月20日 (金)コラム

労働契約法・無期転換ルールが定年後継続雇用に与える影響

みなさんこんにちは。HRプラス社会保険労務士法人の一安裕美です。
平成25年4月1日施行された改正労働契約法の影響について、弊所人事労務TOPICSではお伝えしてきました。
平成25年4月1日以降に締結された有期労働契約が反復更新されて通算5年を超えた場合、労働者の申込みにより、期間の定めのない労働契約(無期労働契約)に転換されるというものです。
この改正により、無期転換時の労働条件の検討や契約更新回数に上限を定めるなどの対策が必要となりますが、注意ポイントはほかにもあるのです。

■無期転換ルールが、定年後継続雇用者に及ぼす影響
有期契約労働者は、契約社員やアルバイトだけではありません。
高年齢者等の雇用の安定等に関する法律により、60歳以上の定年後も有期労働契約で雇用される人たちも対象となります。
しかしここで、疑問が出てきませんか?
定年後の再雇用者が無期労働契約に転換されるなんて、定年を定める意味がなくなってしまうのではないかと。

■特別措置法が存在する
このような矛盾を解消するため、平成27年4月1日に「専門的知識等を有する有期雇用労働者等に関する特別措置法」が施行されました。
対象者は高度な専門的知識などを持つ有期雇用労働者と、定年後引き続き雇用される有期雇用労働者です


■特例の対象となるためには、認定を受ける必要がある
「60歳以上の定年後引き続いて雇用される有期雇用労働者」について、無期転換ルールの特例が適用されるためには、以下の①及び②の要件を満たすことが必要となります。
①定年(60歳以上のものに限ります)に達した後引き続いて当該事業主(又は当該特殊関係事業主)に雇用される有期雇用労働者であること
②事業主が第2種計画の認定を受けること
厚生労働大臣の認定を受けることにより、定年後に引き続き雇用されている期間は無期転換の申し込み権が発生しなくなるということです。


■第2種計画とは?
次の内容を盛り込む必要があります。
○当該事業主が雇用する第2種特定有期雇用労働者に対する配置、職務及び職場環境に関する配慮その他の当該事業主が行う第2種特定有期雇用労働者の特性に応じた雇用管理に関する措置の内容

★特性に応じた雇用管理に関する措置とは?
次に掲げる例のなかで、事業主が置かれている実情に照らして適切なものを行うことが求められています。具体的な内容を記載する必要はありませんが、自社で実施可能な雇用管理に関する措置の内容にチェックを入れる仕様になっています。

ア 高年齢者雇用推進者の選任 (高年齢者雇用安定法第11条の規定によるもの)
イ 第2種特定有期雇用労働者に対する配置、職務、職場環境等に関する配慮
(ア)職業能力の開発及び向上のための教育訓練の実施等
高年齢者の有する知識、経験等を活用できるようにするための効果的な職業訓練としての、業務の遂行の過程外における教育訓練の実施又は教育訓練の受講機会の確保
(イ)作業施設・方法の改善
身体的機能や体力等が低下した高年齢者の職業能力の発揮を可能とするための作業補助具の導入を含めた機械設備の改善作業の、 平易化等作業方法の改善、照明その他の作業環境の改善及び福利厚生施設の導入・改善
(ウ)健康管理、安全衛生の配慮
身体的機能や体力等の低下を踏まえた職場の安全性の確保、事故防止への配慮及び健康状態を踏まえた適正な配置
(エ)職域の拡大
身体的機能の低下等の影響が少なく、高年齢者の能力、知識、経験等が十分に活用できる職域を拡大するための企業における労働者の年齢構成の高齢化に対応した職務の再設計等の実施
(オ) 知識、経験等を活用できる配置、処遇の推進
高年齢者の知識、経験等を活用できる配置、処遇の推進のための職業能力を評価する仕組みや資格制度、専門職制度等の整備
(カ)賃金体系の見直し
高年齢者の就労の機会を確保するための能力、職務等の要素を重視する賃金制度の整備
(キ)勤務時間制度の弾力化
高齢期における就業希望の多様化や体力の個人差に対応するための短時間勤務、隔日勤務、フレックスタイム制、ワクシェー アリング等を活用した勤務時間制度の弾力化

どの項目であれば自社でも実施できそうか、検討してみましょう。


■認定を受ける方法
計画書の作成ができたら、厚生労働大臣の認定を受けましょう。
第2種計画に係る認定に関する厚生労働大臣の権限は、都道府県労働局長に委任されています。
申請書〔=「第2種計画認定・変更申請書」〕と添付書類を、事業所の所在地を管轄する都道府県労働局の雇用環境均等室に送付します。
※添付書類
(1)就業規則その他の書類で、法第6条第1項に規定する第2種特定有期雇用労働者の特性に応じた雇用管理に関する措置を実施することを明らかにするもの
(2)就業規則その他の書類であって、高年齢者等の雇用の安定等に関する法律第9条第1項に規定する高年齢者雇用確保措置を現に講じていることを明らかにするもの
労働局から認定の通知がおりた後は、対象となる継続雇用者に対して周知する必要があります。労働条件通知書の付記も忘れずに行いましょう。

■おわりに
いかがでしたか?この認定は、継続雇用者に無期転換権が発生するまでのあいだに届出が必要です。
最も早い場合、平成30年4月1日から無期転換権が発生します。
「あと1年以上ある」と思わずに、早めに対応するようにしましょう。

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