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2017年03月17日 (金)コラム

制度新設で、助成金を受けられる可能性もあり!「勤務間インターバル」とは?

HRプラス社会保険労務士法人の堀越です。
政府が残業の上限を作る方向で動いているため、上限が何時間になるのか、報道等が気になっていらっしゃる方も多いかと思います。その残業の上限を決めるとともに話題にあがっているのが勤務間インターバルです。
今回は、勤務間インターバルについてお話させていただきます。

■勤務間インターバルとは?
勤務間インターバルとは、勤務終了時刻から翌日の勤務開始時刻まで一定以上の休息時間を確保することをいいます。
EUでは制度として採用されており、24時間について最低連続11時間の休息付与が義務付けられています。

たとえば、9時始業18時終業(うち休憩1時間)の所定労働時間8時間の会社があるとします。
EUと同じ11時間のインターバルを設定した場合、前日に23時まで残業をすると、終業の23時から11時間後の10時まではインターバルが必要となり、本来の始業時刻の9時ではなく10時出社でよいことになります。
長時間の残業を行った場合でも、インターバルを置くことで休息が取れ、健康を確保できることになります。EUでは制度化されていますので、始業を遅らせた場合の賃金のルール等が決まっていますが、現状の日本では勤務間インターバルについてルールが決まっていません。
ですから、始業時間を遅らせて終業時間も同様に遅らせるということもできますし、始業時間は遅らせるが終業時間はそのままといったことも現状では可能です。

■職場意識改善助成金(勤務間インターバル導入コース)概要
勤務間インターバルを制度として導入した場合には、制度実施に要した費用の一部を助成する助成金ができました。
この助成金の対象となる勤務間インターバル制度は、就業規則等において「終業から次の始業までの休息時間を確保することを定めているもの」を指しますので、制度として導入していない(就業規則等に定めなし)、〇時以降の残業を禁止、△時以前の始業を禁止とするなどの定めのみの場合には助成の対象となる勤務間インターバル制度と判断されませんのでご注意ください。

◆対象となる事業主◆
① 労働者災害補償保険の適用事業主であること
② 中小企業事業主であること(業種毎の規模要件あり)
③ 次のいずれかに該当する事業場を有する事業主であること
ア) 勤務間インターバルを導入していない事業場
イ) 既に休息時間数が9時間以上の勤務間インターバルを導入している事業場であって、対象となる労働者が当該事業場に所属する労働者の半数以下である事業場
ウ) 既に休息時間数が9時間未満の勤務間インターバルを導入している事業場
④ 労働時間等の設定の改善を目的とした労働時間の上限設定に積極的に取り組む意欲があり、かつ成果が期待できる事業主であること

◆対象となる取組◆
・労務管理担当者に対する研修
・労働者に対する研修
・外部専門家(社会保険労務士、中小企業診断士など)によるコンサルティング
・就業規則・労使協定等の作成・変更
・労務管理用のソフトウエアの導入・更新
・労務管理用の機器の導入・更新など

◆成果目標の設定◆
ア) 勤務インターバルを新規に導入する場合には、事業場に所属する労働者の半数を超える労働者を対象として、休息時間数が9時間以上の勤務間インターバルを導入すること
イ) 既に休息時間が9時間以上の勤務間インターバルを導入していて、対象となる労働者が当該事業場に所属する労働者の半数以下であるものについては、適用を拡大し当該事業場に所属する労働者の半数を超える労働者を対象にすること
ウ) 既に9時間未満の勤務間インターバルを導入している場合には、当該事業場に所属する労働者の半数を超える労働者を対象として、休息時間数を2時間以上延長して休息時間を9時間以上とすること

◆支給額◆
取組の実施に要した経費の3/4を乗じた額が助成されます。
*助成対象の経費は、謝金、旅費、借損料、会議費、雑役務費、印刷製本費、備品費、機械装置等購入費及び委託費

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■おわりに

勤務間インターバルは、長時間労働が発生している労働者に対しての健康確保ができる側面はあるものの、単独で導入しても労働生産性が向上しない限り、仕事の全体量は変わりませんので会社全体の残業削減にはなかなか効果は出にくいと考えられます。
とはいえ、手始めに勤務間インターバル制度を導入して従業員の健康を確保した上で、残業削減の様々な対策を講じることも残業時間削減への一歩にはなるのではないでしょうか。

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