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2017年04月23日 (日)コラム

無期転換の権利行使~申込み方法・申し込み時期など、詳しく解説~

 

HRプラス社会保険労務士法人の星野陽子です。
さて、弊所のコラムにても何度かご案内してきた無期転換ルールですが、その権利行使はどのように行われ、どのように対処する必要があるのでしょうか。少し確認してみましょう。

■無期転換の申込みの方法は?
無期転換権の行使の方法は、労働契約法上、特に定められておりませんので、口頭でも書面でも有効です。しかし、トラブル防止の観点から、文書で申込みをするようにすべきでしょう。
なお、無期転換放棄の意思を労働者が示した場合も、書面によるその意思を確定的に証すると共に、放棄の理由についても記録しておき、合意の真意性を担保しておくことが肝要でしょう。

無期転換の申込みができる時期は、いつからいつまで?
無期転換申込権は、その契約期間中に通算契約期間が5年を超えることとなる有期労働契約の契約期間の初日から、その有期労働契約の契約期間が満了する日までの間に権利行使できます。
つまり、無期転換権の行使は有期労働契約期間中に行う必要があり、契約期間満了後、雇止め後の無期転換はできません。
会社にとっては、契約期間の最終日に無期転換を申し込まれる可能性もあり、人事管理上、混乱を招く場合もあり得るでしょう。
無期転換の権利行使に期間制限を設ける、たとえば、「契約期間の満了日の1か月前までに無期転換を申し込むこと」などと定めておけば、そのような混乱が生じないようにも思われますが、無期転換権は強行法規である労働者の権利であるため、就業規則等によって一方的に権利を失効させることはできません。

就業規則上等で無期転換の申込み期限を定めた場合においても、就業規則上の期限の段階では保留し、労働契約期間の満了日までに無期転換の申込みをしてきた場合にはその申込みは有効とする必要があります。


■無期転換発生を通知しなくてはいけない?
会社は、無期転換権が発生する有期契約労働者に対して、無期転換申込権が発生することを通知する義務はありません。
しかし、会社側が「(無期転換権の発生を通知しなければ、)無期転換しないだろう」と勝手に予測し、行使期限直前に無期転換権を行使されてしまったような場合には、混乱が生じるかもしれません。
そのようなトラブルを防ぐため、無期転換権が発生する有期契約労働者に対し、「無期転換権を行使する場合には、1か月前までにその意思を明らかにすること」というように定めておき(権利を失効させるまでの効力はありませんが)、無期転換申込書などの書式を会社側で作成し、無期転換への意思の確認を行ったほうが望ましいでしょう。


■おわりに
無期転換申込みについては、会社側で申込み書式を作成するなど、積極的に対応すべきでしょう。
なお、無期転換の申込みを行うと、その契約期間の満了日の翌日から無期労働契約となりますので、ご注意ください。

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