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2017年08月18日 (金)コラム

職場の士気を低下させる「ハラスメント」、まずは正しい理解から!

こんにちは。HRプラス社会保険労務士法人の大谷です。
今回から私はこのコラムで「ハラスメント」について取り上げさせていただきます。
と申しますのも、このコラムの原稿に何を書こうかと迷っているそばから「横浜市立大学不適切な言動を繰り返した男性教授処分(アカハラ)」「近畿大学ボクシング部監督セクハラ・パワハラで諭旨解雇」というニュースが立て続けに耳に入り、まあどうしてこうも懲りない面々が・・・という思いから筆を進めた次第です。昔からあって今なお無くならないこの問題は人事労務担当としてはなんとかしなければならないテーマ。ぜひご一読ください。


■増え続けるハラスメント
先日厚生労働省が公表した「平成28年度個別労働紛争解決制度の施行状況」によりますと、2016年度の民事上の個別労働紛争の相談のうち「いじめ・嫌がらせ」に関する相談件数は70,917件(前年比6.5%増)で5年連続トップでした。次いで「自己都合退職」「解雇」「労働条件の引下げ」が続いていますが、これらの中にもハラスメントが関係しているものも相当にあると思われ、職場でのいじめ・嫌がらせが日常的に発生しているというのが実態です。まさに異常事態であり、これによりメンタル不全で休業する人も増え、職場の士気は低下し、企業としては大きな損失を出しているのをただ無為に見過ごしているのが現状と言わざるを得ません。企業の使用者・管理者は従業員に対して良好な職場で労務提供をさせる配慮義務を負っている(労働契約法5条)わけですから、ハラスメントに対して積極的に向き合い、これを無くすようすぐにでもアクションを起こすことが求められます。


■ハラスメントの背景

それではハラスメントっていったいいつ頃から言われるようになったのでしょう?調べてみると、わが国では1980年代後半に学校でのいじめが社会問題としてクローズアップされ始めてからほどなく、「セクシャルハラスメント」という言葉がアメリカから入ってきて一般に使われるようになり1989年の新語・流行語大賞で金賞を受賞した頃から一気に広がったようです。
その後1990年以降、平成不況によるリストラなどを背景としてパワハラが問題となり、2000年代に入ってから家庭内暴力・夫婦間での虐待(ドメスティック・バイオレンス)が、そして2010年代になるとマタハラなどが盛んに言われるようになってきました。
言語というものは相乗効果的なものです。おそらく言葉としてハラスメントが広まるずっと以前からこのいじめや嫌がらせは存在していたはずですが、このキーワードが社会的に認知されると、大きくかつ身近な日常問題として顕在化するようになりました。


■ハラスメントの誤った認識

そしてハラスメントという言葉が独り歩きする。上司から指導を受けたら部下は「パワハラだ」と言ってはばからず、職場のオフ会がなくなるような事態、発生しませんでしたか?
管理職は仕事でミスした部下を叱れず、職場のコミュニケーションに気を遣いすぎ、組織・集団が機能不全に陥ってしまう問題がいたるところで起きてしまったという話をよく耳にしました。そしてブームとなった「コンプライアンス」に過剰反応し、表面的には違反となりそうなことはしないながらも、人が見ていないところで怒鳴ったり陰でこそこそ陰湿ないじめや嫌がらせを繰り返し、発覚しそうものなら口封じをする・・・こんな組織はまさに末期的ですよね。


■ハラスメントとは何かを正しく理解することから

よくある誤解は「相手が嫌だと思わなければハラスメントじゃない」と勝手に判断すること。ハラスメントは法令等で類型化されていたり明確に定義されています。まずはこのことをしっかりと理解して「何をしたらいけないか」をきっちり押さえておくことが肝要です。
また、一口にハラスメントと言っても、セクハラ・パワハラ・マタハラごとに対処の仕方は様々です。一方、ハラスメントに関わる判例は数多く出ています。個々の具体的事例を参考にして、社内研修を実施したり、規則を整備することで、職場でのハラスメント発生を防ぐことはある程度可能となります。

次回以降は、これらのことを踏まえて個別に説明していきたいと思います。

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