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2017年10月30日 (月)コラム

労働災害発生時の備え~事前準備編~

こんにちは。HRプラス社会保険労務士法人の九内です。
今回は、労働災害発生に備えての事前準備についてお伝えしたいと思います。

■災害発生に備えての事前準備
①緊急連絡先一覧の作成
労働災害が発生してから最寄りの消防署や警察署、病院の連絡先を調べる余裕がない場合もあるでしょう。バラバラに救急車を呼んでしまったりしないよう窓口の一本化などのルール化も大切です。製造業の工場や建設工事現場に労働基準監督署の立入調査が入った場合、一覧の有無のチェックをされることがあります。

②救急用具の備え付け等と応急措置の練習
救急用具はいざという時に使用できなければ意味がありません。救急用具のある場所を明らかにしておくこと、事業所の広さに応じて複数の場所に配置する等工夫が必要です。
定期的に用具を点検し補充も大切です。点検間隔と担当者の指名をしておくと良いでしょう。
応急措置は、事前に複数の労働者に研修を受けさせておくと良いでしょう。いざ災害現場に居合わせ場合、止血、心肺蘇生法やAED(自動心室除細動器)の使用方法の訓練・練習をしていなければ、動揺してしまい何もできない可能性があります。
止血、心肺蘇生法、骨折の手当等は初期の対応が重要です。

■災害発生時の連絡先の確認
①消防署
救急車の要請やレスキュー隊の出動を要請する場合に必要です。レスキュー隊の出動が必要な場合とは、酸素欠乏、一酸化炭素中毒、高気圧障害土砂崩壊等です。例えば酸欠で意識を失った被災者を空気呼吸器を背負って助け上げることは、一般人には困難です。
また通報の際は、現在地・道順・目標物を伝えたり、事故の種類・程度、取り扱っている危険・有害物、現在実施している応急措置・手当を伝えると良いでしょう。

②警察署
死亡災害や重症災害、一度に複数の人が被災する事故の場合は現場検証を行う必要があります。通報が遅れると証拠隠滅が疑われる可能性がありますので必ず通報しましょう。

③労働基準監督署
死亡事故等の場合には連絡すべきでしょう。災害発生後相当日数経過後の立入調査や現場検証の際に、当時の状況を復元するよう指示される場合があります。クレーンや足場の倒壊などの災害・事故の場合には現場への立入調査が行われることが多いので、速やかに連絡するべきです。

④電力会社
送電線切断や停電を発生させた場合に連絡が必要となります。大規模事業場では、電力会社の送電線から特別高圧で引き込み、社内の変電設備で使用電圧に変換している場合があります。この場合、一定の資格を有する専門家に対応してもらう必要があります。

⑤ガス会社
ガス管の中にはガスを長距離にわたり送る本菅があります。破損すると大きな災害につながります。引火を防ぐとともにガス会社への速やかな連絡が必要です。液体酸素などタンクを保有している場合、急いで専門業者へ連絡しなければなりません。

⑥水道関係工事会社・地方自治体水道局・公社
水道管破損・漏水等をした場合に連絡が必要となります。自社で地下水をくみ上げている場合で漏水している場合は水道関係工事会社、地下水使用量について協定を結んでいる地方自治体の該当部署にも連絡しなければなりません。

⑦電話会社
電話線を切断した場合等に連絡が必要となります。電線の近くにインターネットや有線テレビ放送用の光ケーブルが多数敷設されています。都市部では共同溝といって歩道の下などの空間に電力線・電話線・ガス管・上下水道管などをまとめて収納し、電柱をなくすようにしているところが増えてきました。地下工事などでこれらを破損した場合、関係先全てに至急連絡しなければなりません。

⑧親会社・注文主等
親会社・注文者・協力会社等の施設内で災害発生した場合等で必要となります。警察署、消防署等の立入調査を受ける場合にも無断で敷地内に立ち入らせることはできませんので災害発生した旨を伝える必要があります。

⑨その他
ビルオーナー、不動産会社、周辺地域の自治会


■おわりに
いかがだったでしょうか。災害発生時の連絡先だけ取り上げても様々な関係各所への連絡が必要となります。災害発生時の現場は混乱しているため冷静に様々な判断をすることは困難なことが多いと思います。焦らず迅速な対応をするためにも事前の準備が大事ですね。
次回は、実際に災害が発生した際の対応についてご説明します。

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