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2017年12月12日 (火)コラム

ストレスチェック制度の概要と実施状況

こんにちは。HRプラス社会保険労務士法人の須永 悠です。
今回は、平成27年12月1日から事業者に義務付けられた、ストレスチェック制度について、お伝えします。

■背景
近年、職業生活等に関して強い不安やストレスを感じる労働者が5割を超えている状況にあります。仕事による強いストレスが原因で精神障害を発症し、労災認定される労働者が増加傾向(平成28年度は498件となり過去最多)にあり、労働者のメンタルヘルス不調を未然に防止することが、益々重要な課題となっています。

このような背景から、平成26年6月に労働安全衛生法が改正され、平成27年12月1日から労働者数50人以上の事業場について、ストレスチェックの実施が義務付けられました。
(労働者数50人未満の事業場は、当分の間、努力義務となっています。)

■ストレスチェック制度の概要
<目的>
労働者にストレスへの気づきを促し、個々の労働者のストレスを低減させるとともに、検査結果の集団分析により、職場におけるストレス要因を評価し、職場環境の改善につなげることで、労働者のメンタルヘルス不調を未然に防止すること

<ストレスチェックの対象者>
① 期間の定めのない労働契約により使用される者
② 期間の定めのある労働契約により使用される者であって、
・契約期間が1年以上である者
・契約更新により1年以上使用されることが予定されている者
及び 1年以上引き続き使用されている者
③ 1週間の労働時間数が当該事業場において同種の業務に従事する通常の労働者の1週間の所定労働時間数の4分の3以上である者

<実施頻度>
1年以内ごとに1回

<高ストレス者への面接指導>
ストレスチェックの結果、高ストレス者として選定され、面接指導を受ける必要があるとされた労働者から申し出があった場合には、医師による面接指導を実施するとともに、医師の意見を聴き、就業上の措置を講じる必要があります。

<記録の保存>
ストレスチェックの結果、面接指導結果報告書等については、
5年間の記録保存義務があります。

<報告義務>
常時50人以上の労働者を使用する事業者は、ストレスチェックと面接指導の実施労働状況を1年以内毎に1回、定期に労働基準監督署へ報告する義務があります。提出時期は、各事業場における事業年度の終了後等、事業場毎に設定することとされています。

■ストレスチェック実施状況
厚生労働省は平成29年7月にストレスチェック制度の実施状況をはじめて発表しました。
発表によると、平成29年6月末現在、ストレスチェック制度の実施が義務付けられた事業場のうち、約83%の事業場がストレスチェックの報告をしています。

実施報告書の提出があった事業場における実施状況(抜粋)は下記のとおりです。
・ストレスチェックを受けた労働者の割合 約8割
・ストレスチェックを受けた労働者のうち、
医師による面接指導を受けた労働者の割合 約0.6%
・ストレスチェックを実施した事業場のうち、
医師による面接指導を実施した事業場の割合 約3割
・ストレスチェックを実施した事業場のうち、
集団分析を実施した事業場の割合 約8割

■まとめ
従業員がメンタルヘルスを悪化させれば、集中力や注意力が低下し、仕事の効率も悪くなり、生産性が低下します。また、休職者が出れば、職場の戦力は低下し、残った従業員の負荷が高まることとなります。ストレスやメンタルヘルスの問題は、労働安全衛生法や安全配慮義務違反だけでなく、さまざまなリスクが存在しており、リスクマネジメントの一環として、真剣に取り組まなければいけない問題です。ストレスチェックを機に職場のメンタルヘルス対策を見直し、職場環境の改善につなげていきましょう。

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