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2018年02月05日 (月)コラム

雇用保険って何?~基本手当編②~

こんにちは、HRプラス社会保険労務士法人の小髙美希です。

「雇用保険ってそもそもなに?」をテーマにお伝えしていますが、今回も前回に引き続き、雇用保険の最重要給付のひとつ、基本手当についてお話したいと思います。

今回は聞いたことあるけれどよくわからないという人も多い「特定受給資格者」、「特定理由離職者」について触れていきたいと思います。

■前回のおさらい 詳しくは前回のコラムをご参照ください!

・基本手当ってなに?

基本手当とは、雇用保険の被保険者が一身上の都合、契約期間満了、定年や会社の倒産等により離職をした場合に、ハローワークに求職の申し込みを行うことにより受けることができる給付です。

失業中の生活維持のため、また安心して再就職活動に集中できるようにするために、一定の条件を満たした方に支給されます。

 

・基本手当はどれくらいもらえるの?

基本手当は以下の計算式に基づき支給されます。

<基本手当日額×所定給付日数>

基本手当日額とは、失業している日に受給できる1日あたりの金額のことで、離職の日以前の6ヶ月に毎月決まって支払われた賃金の合計を180で割って算出した金額のおよそ50%~80%となります。この基本手当日額に、所定給付日数(離職理由、年齢、被保険者期間によって異なる)をかけると、基本手当の額が算出されます。

 

■「特定受給資格者」、「特定理由離職者」って?

「特定受給資格者」とは、倒産・解雇等の理由により、再就職の準備をする時間的余裕がなく離職を余儀なくされた者を指し、「特定理由離職者」とは、特定受給資格者以外で、期間の定めのある労働契約が更新されなかったこと、その他やむを得ない理由により離職した者を指します。

では、実際の範囲の概要はどのようになっているのでしょうか。

 

<特定受給資格者の範囲>

1.「倒産」等により離職した者

①事業所の倒産(破産、民事再生、会社更生法などの手続き)した

②事業所の事業縮小にともない大量の離職者(1ヶ月で30名以上、または労働者の1/3以上)が発生した

③事業所の廃止

④事業所の移転により通勤が困難になった

2.「解雇」等により離職した者

①自分に非のない解雇

②労働契約の締結に際し明示された労働条件が事実と著しく相違した

③賃金の1/3を超える額が支払日までに支払われなかった月が2ヵ月以上続いた

④賃金が以前に比べ85%未満になった(そのことが想定できなかった場合)

⑤退職前6ヶ月のうち、[1]連続する3ヶ月で45時間、[2]1ヶ月で100時間、 [3]連続する2ヶ月以上の期間の時間外労働を平均して月80時間を超える時間外労働が行われた

⑥事業主が法令に違反し、妊娠中、出産後、子の養育中、家族の介護を行なう者を就業させ、またそのような者の雇用の継続を図るための制度を不当に制限した、又は妊娠、出産それらの制度の申出をし、若しくは利用したことを理由として不利益な扱いを受けた

⑦事業主が労働者の職種転換時、継続して働けるよう必要な配慮を行わなかった

⑧有期契約で3年以上雇用されているのに契約が更新されなかった

⑨有期契約で「契約更新があり」にもかかわらず更新されなかった(⑧に該当する場合を除く)

⑩上司や同僚から著しい冷遇や嫌がらせ(パワハラ・セクハラ)を受けた、及びセクハラの事実がありながら事業主が何ら措置を講じなかった

⑪事業主から直接もしくは間接的に退職するように勧奨を受けた(早期退職優遇制度は除く)

⑫事業主が法律違反などにより、3ヶ月以上休業になった

⑬事業主の業務が法律に違反した

 

<特定理由離職者の範囲>

1.期間の定めのある労働契約期間が満了し、かつ、当該労働契約の更新がないことにより離職した者(更新を希望したが更新できなかった場合) ※特定受給資格者2.⑧⑨に該当する場合を除く

2.以下の正当な理由のある自己都合により離職した者

①体力の不足、心身の障害、疾病、負傷、視力、聴力、触覚の減退等により離職した者

②妊娠、出産、育児等により離職し、雇用保険の受給期間延長措置を受けた者

③父若しくは母の死亡、疾病、負傷等による介護をするため離職を余儀なくされた者(家庭の事情が急変した場合)

④配偶者又は扶養すべき親族と別居生活を続けることが困難となったことにより離職した者

⑤次の理由により、通勤不可能又は困難となったことにより離職した者

a) 結婚に伴う住所の変更

b) 育児に伴う保育所その他これに準ずる施設の利用又は親族等への保育の依頼

c) 事業所の通勤困難な地への移転

d) 自己の意思に反しての住所又は居所の移転を余儀なくされたこと

e) 鉄道、軌道、バスその他運輸機関の廃止又は運行時間の変更等

f) 事業主の命による転勤又は出向に伴う別居の回避

g) 配偶者の事業主の命による転勤若しくは出向又は配偶者の再就職に伴う別居の回避

⑥その他、企業整備による人員整理等で希望退職者の募集に応じて離職した者等 ※特定受給資格者2. ⑪に該当しない場合

 

 

「特定受給資格者」、「特定理由離職者」に該当するかどうかの判断は、離職理由によりハローワークが行います。離職理由の判定は、事業主が主張する離職理由と、離職者が主張する離職理由を把握し、それぞれの主張を確認できる資料による事実確認を行った上で、最終的にハローワークにて慎重に行われます。

 

では、この判定を受けることによって、何が変わるのでしょうか。

①受給資格の緩和

基本手当を受けるためには離職の日以前2年間に被保険者期間が通算して12ヶ月以上あることが必要ですが、離職の日以前1年間に、被保険者期間が通算して6ヶ月以上あれば受給資格を得ることができます。

②給付制限

自己都合での離職の場合、基本手当を受給するまでに3ヶ月の給付制限がありますが、特定理由離職者の場合は、自己都合であっても給付制限を受けることはありません。(特定受給資格者は自己都合ではないので、もちろん給付制限はありません。)

③給付日数

「特定受給資格者」と「特定理由離職者の1」に該当する方は、給付日数が手厚くなります。(詳しい日数は前回のコラムをご参照ください。)

 

このように、一般の自己都合による離職とは非常に大きな違いがあるため、会社から離職票を受け取ったらまず離職理由が適切なものであるか確認をすることが大切です。

次回は、離職票の見方を説明したいと思います。離職票の右側にある離職コードの内容にも触れていく予定です。

 

参考元:厚生労働省「特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲と判断基準」

http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11600000-Shokugyouanteikyoku/0000147318.pdf

 

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