コラム

コラム 詳細

2018年02月05日 (月)コラム

海外赴任者の住宅事情

HRプラス社会保険労務士法人の三枝です。

今回は、海外赴任者の住宅にまつわることについて色々と紹介していきたいと思います。

 

■出国前に日本国内に不動産を所有していると…

まず、出国前に不動産を所有している場合、不動産を貸そうとすると、賃貸料収入が見込まれます。こういった場合、日本国内で源泉所得が発生しますので、納税管理人の選定が必要になります。出国の時期、期間等にもよりますが、本人が非居住者となっている場合においても、日本国内で納税管理人を通して確定申告が必要になりますので、この点には、注意が必要です。また、住宅に対しては固定資産税や都市計画税等もかかりますので、この点も注意が必要となります。

出国前のバタバタしているところであっても、抜かりなく手続をしていくようにしなければなりませんので、日本国内での納税管理人選定を忘れないよう差配をする必要があります。

 

■海外転居に際しての不動産選び

1)家賃について

家族帯同なのか単身赴任なのかでも大きく変わってくることがありますが、多くの日本企業が海外現地法人や駐在員事務所を置いている地域(北京、上海、香港、シンセン、シンガポール、バンコク)などでは、大使館、領事館近辺や日本人学校の近辺に日本人コミュニティーが存在しています。こういった地域での住環境はある程度、日本と同じような生活はできる一方で、日本人海外赴任者を当て込んだ住宅設備を持つ高級物件が多く、家賃についても現地相場と大きく乖離していることもあります。また、海外の日本人コミュニティーは、広いようで非常に狭いので、プライベートと仕事が分けられないことにストレスを感じ、言葉や風習に不自由しない日本人海外赴任者の中には、あえてこのコミュニティーを避けた地区で住宅を探す方もいます。

発展途上国においては、経済成長率が高い国について、日本では考えられないような家賃の乱高下が起きるので、1年前の数値が役に立たなくなることもしばしばです。

日本人海外赴任者が赴任する国にもよりますが、例えば、日本でも不動産のバブルを繰り返している中国との報道も多い中国の沿岸部諸都市や大都市などでは、1年間に家賃が25%以上上昇することも珍しくありません。日本では考えにくいのですが、中国本土の大都市においては土地の私有がそもそも認められていない為、経済成長との兼ね合いで地区によって1平米あたりの不動産最低取引額が毎年、国、省政府によって示されます。それが契機となって、不動産価格が高騰していくこと、また、流入する人口に対して、大都市では不動産が足りていないことが原因でバブルが継続している地区もあります。

家賃が上がるタイミングは、大よそ賃貸借契約の年度更新時に持ちかけられますので、会社としてどこまで見れるのか、また本人にはどれだけ負担を求めるのかといった事項は、物価上昇率を鑑みて調整をしていく必要があります。

 

2)賃貸物件に入居したら

賃貸物件に入居したら、すぐに不動産屋さんを通して、すぐに住居の鍵の交換をお願いしましょう。これはセキュリティーの上で大鉄則です。また、家具付の物件を借りる場合には、家具の状況についても念入りにチェックをする必要があります。日本ほど清掃や家具の備え付けがちゃんとしている場合の方が稀有ですので、不具合がある場合には、即座に対応しておきましょう。日本と大きく違うのは、「家の中でも外でも自分の身は自分で守る」ということを根底に行動を心がける必要があることです。

空き巣が多い国では、家の中にバーグラーアラーム(非常ベル)やドアが二重になっている国もあります。また、強盗から身を守るためのパニックルームも設置しているところもあります。家の中だから安全という考えが通用しない地域もありますので、用心に用心を重ねて、事前に防げるものは防ぐという姿勢でいることを忘れずに行動する必要があります。

会社としても、海外赴任者の安全管理で盲点となりやすいところではありますので、先に赴任している方からも情報を集めておくとベストでしょう。

 

3)意外と困る水回り

海外赴任中に、生活上一番不便を感じることは、水回りではないでしょうか。発展途上国の水道水については、洗濯する水ですら、水道管の錆で真っ赤な水が出たり、また、日本の水質と違い、硬水が出たりする地域では、水道の石灰詰まりなど、日本では目にしない光景を多く見ます。洗濯をすると、白いシャツがなぜか赤くなる現象に出くわしたりもします。

現地の人々は、沸騰させて水道水を飲むこともありますが、日本人が同じことをすると当たることもしばしばです。業務用の濾過浄水器を家庭に設置したり、ウォーターサーバーを設置したりと日本では不必要なものも、海外では生活上必要になるケースもあります。こういった地域に赴任する場合には、ハードシップ手当等で補てんを一考する必要があります。

 

■まとめ

日本と海外では住居取り巻く商習慣や環境が大きく違うことを鑑みて、会社はどこまで見るのか、海外赴任者はどこまで負担するのかという線引きを、現地の刻々と変化する状況を見ながら対応していくことが必要になります。また、日本国内にいる従業員に支給されている手当、生活状況と海外赴任者へ支給する手当で不公平感が出ないよう、バランスを見ながら設定していく必要もあるので、ハードシップ手当、住宅手当等、うまく組み合わせて運用していく必要があるところです。

ページトップへ戻る