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2018年03月14日 (水)コラム

健康保険法の沿革

こんにちは、HRプラス社会保険労務士法人の菅谷詩歩と申します。働く人にとって「健康保険法」という分野は数ある法律や国の制度のなかでも身近な存在ではないでしょうか。誰もが健康保険証1枚を持ち、病院に行って診察を受けることができる。そして3割負担(人によっては2割、1割負担)で、海外で聞くようなとんでもなく高額な医療費は請求されません。

日本では昭和36年に『国民皆保険』という社会保障が確立されており、すべての国民が何らかの公的保険制度に加入し、医療費を支えあっています。「健康保険法」は被用者保険と呼ばれ、働く人やその家族を対象としています。また国家公務員、地方公務員、私学教職員は「共済組合制度」があります。一方、自営業や仕事を辞めてリフレッシュ期間に入る方は「国民健康保険法」、75歳以上の方は「後期高齢者医療制度」の対象となります。今回は健康保険法の沿革について少し掘り下げていこうと思います。

「健康保険法」は1922(大正11)制定、1927(昭和2)年に全面施行された、日本で最古の社会保険法規です。制定当初は適用の対象が狭く、工場・鉱業系の10人以上の事業所で報酬が年間1200円未満のブルーカラー労働者向けの法律でした。もう一つ、今とは違う特徴としては、業務上の疾病、負傷、死亡についても範囲とされていました。1947(昭和2)年に「労働者災害補償保険法」が制定・施行されたことに伴い、業務上の傷病等についてはそちらに移譲されました。

さらに運営する側にも大きな特色があります。制度の発足当初は運営する保険者は①政府と②健康保険組合でした。それが平成20年10月より社会保険庁改革の流れで、政府の干渉していたものが『全国健康保険協会(協会けんぽ)』(新たに設立された非公務員型の公法人)に移管し、保険者はすべて民間の団体となり現在に至ります。

しかし保険者が民間になったといっても、国が国民の生活保障のために責任をもって実施すべき社会保障制度であることには変わりありません。

憲法25条第2項によると、「国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない」と規定しており、「健康保険法」はその具現化ということができます。

少し堅苦しいテーマになってしまいましたが、次回は我が国の社会保障制度について深堀していきたいと思います。

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