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2018年03月23日 (金)コラム

定期健康診断について

こんにちは。HRプラス社会保険労務士法人の須永です。
3月も中旬に入り、ようやく暖かくなってきました。春になると、「健康診断」を行う会社も多いのではないでしょうか。毎年行っている「健康診断」は、労働安全衛生法(労働安全衛生規則)上、「定期健康診断」と定義されており、1年以内毎に1回定期に行うことが義務付けられています。今回は、労働安全衛生法に定められている「定期健康診断」についてお伝えします。

■定期健康診断の実施
労働安全衛生法66条では、「事業者は、労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、医師による健康診断を行わなければならない。」と定めており、この定めを受けて、労働安全衛生規則44条にて、「事業者は、常時使用する労働者に対し、1年以内毎に1回、定期に、次の項目について医師による健康診断を行わなければならない」としています。

※定義の中の「常時使用する労働者」は、正社員だけではありません。契約社員・アルバイト等であったとしても、下記の要件を満たす者は「常時使用する労働者」と解すべきとされています。
①契約期間が1年以上である者
②契約の更新により1年以上使用されているか、使用されることを予定されている者
③1週の所定労働時間が同種の業務に従事する通常の労働者の4分の3以上である者

■定期健康診断実施後に行わなければならないこと
□健康診断結果の通知
(労働安全衛生法66条の6)
定期健康診断を実施した場合、健康診断を受けた労働者に対し、健康診断の結果を通知しなければならないと定められています。健康診断の結果の通知を怠った場合、事業者は50万円以下の罰金を科せられることがあります。

□健康診断結果の記録
(労働安全衛生法66条の3 / 労働安全衛生規則51条)
定期健康診断を実施した場合、健康診断の結果に基づいて健康診断個人票を作成し、5年間保存しなければならないと定められています。健康診断の結果の記録を怠った場合、事業者は50万円以下の罰金を科せられることがあります。

□健康診断結果についての医師等からの意見聴取
(労働安全衛生法66条の4 / 労働安全衛生規則51条の2)
健康診断等の結果、異常の所見があると診断された労働者については、3カ月以内に当該労働者の健康を保持するために必要な措置について、医師又は歯科医師の意見を聞かなければならないと定められています。

□健康診断実施後の措置
(安全衛生法66条の5第1項)
事業者は、意見聴取により得られた医師等の意見を勘案し、必要があると認めるときは、当該労働者の実情を考慮して、就業場所の変更、作業の転換、労働時間の短縮、深夜業の回数の減少等の措置を講じなければならないと定められています。

□健康診断の報告
(労働安全衛生規則52条)
常時50人以上を使用する事業者については、定期診断結果報告書を所轄労働基準監督署に届け出ることが義務付けられています。

■有所見率
各企業から労働基準監督署へ提出された報告を基に、健康診断の有所見率の全国平均が厚生労働省から公表されています。

 

有所見率は、近年50%程度で、全国的には、健康診断を受診した人のうち2人に1人は何らかの異常を指摘されています。 平成28年は、①血中脂質 ②血圧 ③肝機能 ④血糖 の順に有所見者が多く、生活習慣が影響する項目で異常を指摘される例が多くなっています。

全国平均と会社の統計データを比べることで、労働者個人の健康状態だけでなく、集団としての健康状態の分析が可能です。 分析結果を基に産業医と相談するとともに、衛生委員会等で自社に必要な対策を考えてみてはいかがでしょうか。

■まとめ
社員の高齢化が進む企業も多い中、社員に成果を出してもらうには、長く健康で働いてもらうことが必要です。労働者にとって身近な健康診断ですが、やって終わりでは意味がありません。
長く健康で働ける職場環境を実現するため、定期健康診断の受診率100%を実現し、社員の健康状況を把握するとともに、有所見率等の統計データ分析を実施し、健康障害を防止することが必要です。健康診断をきっかけに、自分の健康だけでなく、会社全体の健康も見つめなおしていただけたら幸いです。

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