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2018年06月12日 (火)コラム

労働者派遣2018年問題 ~事業所単位の期間制限~

こんにちは、HRプラス社会保険労務士法人の星野陽子です。

さて、2015年の労働者派遣法の改正は記憶に新しいところですが、先の改正から3年が経過する今年は派遣期間制限(事業所単位、個人単位)を迎えることとなります。この期間制限はいわゆる「2018年問題」として、労働契約法第18条の無期転換権とともに本年の重要な課題といえるでしょう。
そこで、今回は事業所単位の期間制限について確認していきたいと思います。

■なぜ期間制限が設けられているのか
派遣先の正社員と派遣労働者との代替を防止するため、また、派遣労働者が派遣就業を望んでいないにもかかわらずそれに固定化されてしまうことを防止するため、派遣先の同一の事業所での有期雇用の派遣労働者の受入れについて、原則3年までとする事業所単位の期間制限が設けられています。あまり派遣期間を長く認めてしまうと、正社員よりも派遣労働者を採用する方が人件費の軽減を図ることができる、雇用の調整も比較的しやすいなど、労務リスクを回避する目的などから正規労働者の職域が侵害されていく恐れもあるのです。

■事業所単位の派遣可能期間はいつまでか
この3年までの間に派遣労働者が他の派遣労働者と交替したり、別の派遣会社との新たな派遣契約に基づいて労働者派遣を受け入れた場合でも、派遣可能期間の起算日は変わりません。つまり、派遣可能期間の途中から就労しはじめた派遣労働者がその事業所で就労できる期間は、原則、その事業所単位の派遣可能期間の終了までとなります。

■派遣可能期間の延長
派遣先事業所単位の派遣可能期間は、原則として3年が上限ですが、派遣先に元々雇用されている正規労働者の過半数で組織される労働組合や過半数代表者の意見聴取を行なえば、期間を延長することが可能です。
なお、労働者派遣の終了後、3か月(いわゆる「クーリング期間」を経過した後に、再度、労働者派遣を受け入れる場合には、この意見聴取手続きを要しません。しかし、派遣先が同一事業所において3年超継続して労働者派遣を受け入れようとする場合、意見聴取の手続を回避することを目的として「クーリング期間」を空けて労働者派遣の受け入れを再開するような、実質的に派遣の受入れを継続する行為は、法の趣旨に反するものとして指導等の対象となりますので、注意してください。

■期間制限の例外
また、例外として、以下の場合については、期間制限の対象外となります。
① 派遣労働者が派遣元で無期雇用されている場合
② 派遣労働者が60歳以上の者である場合
③ 有期プロジェクト業務の場合(事業の開始、転換、拡大、縮小又は廃止のための業務であって一定の期間内に完了するもの)
④ 日数限定業務(1か月の所定労働日数が、派遣先の労働者の半分以下かつ10日以下であるもの)である場合
⑤ 産前産後休業、育児休業、介護休業などを取得する労働者の業務である場合

■おわりに
労働者派遣は臨時的・一時的な働き方であるという原則のもと、派遣労働者個人単位、派遣先事業所単位の2つの期間制限が設けられています。
これらの期間制限に違反すると労働契約申込みみなし制度の対象となり、また、指導や罰則等の対象ともなりますので、適切に対応していきましょう。

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