コラム

コラム 詳細

2018年06月21日 (木)コラム

ハラスメント相談担当者としての基本対応

こんにちは。HRプラス社会保険労務士法人の大谷です。ハラスメントをテーマにこれまで6回にわたってパワハラとセクハラについて見てきましたが、今回は法律的な話を少し離れて「ハラスメント相談担当者」としての基本対応についてまとめてみました。ハラスメント問題が紛争に発展するか否かは、相談・申し立てがあったときの初動対応で決まると言っても過言ではありません。この機会にぜひ確認してください。

■事前の準備が大切

ハラスメントの相談・申し立ては被害者から直接受けることが多いと思います。そのための準備について以下の点について留意してください。

①ハラスメントの基本を理解しておく

これは担当者として当然押さえておくことです。「ハラスメントの類型」やセクハラがどの法律にどのように定義されているか、またパワハラの判断基準(厚生労働省「職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議ワーキンググループ報告」)などは確認しておいてください。

②日頃の言動に気をつける

相談を受ける立場の者としては、自分自身がハラスメントとなるような言動をしていないか、また他人の噂話を職場でしていないかなど気をつける点が多々あります。もし自分が誰かに悩みを相談するとして、その相手がおしゃべりだったらどう思います?

③相談環境を整備しておく

相談窓口の電話番号・メールアドレスを社員に周知することや、相談室はできれば個室を用意し外部に声が聞こえないような場所を確保しておきましょう。

④相談フォーマットを準備する

相談対応といっても、実際には事実のヒアリングが主体です。記録を残すための書式(ヒアリングシート)をあらかじめ作っておきましょう。書式には5W1Hの欄を作って1シートでまとめておくとメモしやすいです。

⑤傾聴スキルを身につけておく

事実確認が主体ではありますが、相談に来た社員は辛くて悩んだり、怒っていたり様々な気持ちで相談に来ています。その感情を受け止めて信頼関係を築くためには、まずは「傾聴」のスキルを身につけておく必要があります。

■面談時に留意すべきは

以上のような準備をしたうえで、相談対応(面談)する際の留意点は以下のとおりです。

①中立の立場をとる

相談してきた社員に対しては常に公正中立な立場で臨んでください。先入観を持ったりすると事実関係を正しく把握することはできません。相手の肩を持ったり、加害者をかばうような発言はNGです。

②秘密が守られることを伝える

面談の冒頭での「ここでの話は一切外部には洩らしません」という一言はとても大切です。そうでないと相談者は安心して話ができません。ただし、例えばハラスメント窓口担当者間あるいは人事責任者と情報共有する場合などは、その開示範囲を伝えてください。

③個人的な意見を控える

窓口担当であるあなたが個人的な意見を言えば、それは会社の意見になります。加害者や第三者のヒアリングをする前に意見はしないように心掛けてください。

④担当者1人で問題を抱え込まない

加害者が役員だったり、複数の社員が関与する組織的なケースなどは重たい問題として担当者個人で抱え込こんでしまうことが時々あります。そのような場合こそ早めに人事の上席者や弁護士などと連携を取るようにしてください。また相談者対応を2名体制で行うこともよいでしょう。

⑤事実と評価を区別する

相談者が語る不満や要望と客観的事実(5W1H)はきちんと区別してください。繰り返しになりますが、事実関係を把握することがこの業務の主体です。

⑥相談者が望んでいる解決法を確認する

「話を聞いてほしいだけ」「事実を報告するだけ」なのか「行為者に謝罪させたい」「行為者の言動を改善させたい」のかなど解決策を聞くことはとても大切です。この点もヒアリングシートにあらかじめ欄を設けておくと聞き漏れがなくなります。

ざっとではありますが、以上がハラスメント相談担当者の基本です。事例事例で対応は異なりますが、まずは基本を押さえてから難しいケースに対処していきましょう。

ページトップへ戻る