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2018年08月21日 (火)コラム

労働者派遣2018年問題 ~派遣労働者個人単位の期間制限~

こんにちは、HRプラス社会保険労務士法人の星野陽子です。

さて、前回に引き続き、労働者派遣の「2018年問題」について確認していきたいと思います。今回は、派遣労働者個人単位の期間制限についてご案内します。
なお、「2018年問題」とは、2015年の労働者派遣法の改正から3年が経過し、派遣期間制限(事業所単位、個人単位)を迎えることとなり、この期間制限を「2018年問題」と呼んでいます。

■なぜ期間制限が設けられているのか
派遣労働者は雇用の安定やキャリア形成が図られにくく、派遣就業は原則臨時的・一時的な働き方として位置づけられています。派遣労働者の派遣就業への望まない固定化の防止を図る観点から、特に雇用の安定などに課題がある有期雇用の派遣労働者については、同一の組織単位における継続的な受け入れを3年までとする、個人単位の派遣期間制限が設けられています。
つまり、個人単位の派遣期間制限は、有期雇用派遣労働者について、節目節目で派遣労働者個人のキャリアを見つめ直し、キャリアアップの契機とすることで、派遣就業への固定化の防止を図ることを目的としているのです。

■派遣労働者個人単位の派遣可能期間はいつまでか
有期雇用の派遣労働者は、派遣先の事業所における組織単位ごとの業務について、3年を超える期間継続して派遣就業させてはなりません。
これは、派遣労働者個人ごとに及ぶ規制であり、事業所単位の派遣期間制限とは別に管理しなくてはなりませんので、注意しましょう。
なお、同一の有期雇用派遣労働者も、派遣先の同一事業所で、ある組織単位に3年派遣された後に、別の組織単位へ改めて3年を上限に派遣することは可能です(事業所単位の派遣期間制限をクリアしていることが前提となります)。

■組織単位とは
ここでいう組織単位とは、課、グループなどの業務としての類似性や関連性がある組織であり、かつ、その組織の長が、業務の配分や労務管理上の指揮監督権限を有するものであって、派遣先における組織の最小単位よりも一般に大きな単位を想定しています。
ただし、名称にとらわれることなく実態により判断されますので、組織単位の名称は異なっていても、例えば同じ業務を担う組織単位に派遣就業させることは趣旨に反します。

■クーリング期間とは
派遣労働者個人単位の期間制限を延長することはできませんが、同一の派遣労働者について、労働者派遣の終了後、3か月を超える期間(いわゆる「クーリング期間」)が空いていれば、再び同じ派遣労働者を同じ組織単位に派遣することができます。
しかし、派遣労働者本人が希望しないにもかかわらず、「クーリング期間」を空けて再びその組織単位に派遣することは、派遣労働者のキャリアアップの観点から望ましくありません。

■期間制限の例外
事業所単位の期間制限と同様、以下の場合については、期間制限の対象外となります。
① 派遣労働者が派遣元で無期雇用されている場合
② 派遣労働者が60歳以上の者である場合
③ 有期プロジェクト業務の場合(事業の開始、転換、拡大、縮小又は廃止のための業務であって一定の期間内に完了するもの)
④ 日数限定業務(1か月の所定労働日数が、派遣先の労働者の半分以下かつ10日以下であるもの)である場合
⑤ 産前産後休業、育児休業、介護休業などを取得する労働者の業務である場合

■おわりに
労働者派遣は臨時的・一時的な働き方であるという原則のもと、派遣労働者個人単位、派遣先事業所単位の2つの期間制限が設けられており、これらの期間制限に違反すると労働契約申込みみなし制度の対象となり、また、指導や罰則等の対象ともなります。改めて確認しておきましょう。

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