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2018年09月25日 (火)法改正

労働基準法改正 ~ 一定日数以上の年休の確実な取得(2019年4月1日施行)

現行の年次有給休暇の付与は「雇入れの日から起算して6箇月間継続勤務し全労働日の8割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した10労働日の有給休暇を与えなければならない。」とされています。
しかし、労働政策審議会建議「今後の労働時間法制等の在り方について」(平成27年2月13日)では我が国の年次有給休暇の取得率は48.8%であり、2020年政労使目標の70%を下回っている状況です。
また、いわゆる正社員の約16%が年次有給休暇を1日も取得しておらず、年次有給休暇をほとんど取得していない労働者については長時間労働の比率が高い実態にあることを踏まえ、年5日以上の年次有給休暇の取得が確実に進むような仕組みを導入することが適当であると報告されました。

2019年4月1日施行の労働基準法改正では、「使用者は、10日以上の年次有給休暇が付与される労働者に対し、5日について、毎年、時季を指定して与えなければならないこととする(労働者の時季指定や計画的付与により取得された年次有給休暇の日数分については指定の必要がない)」により、年次有給休暇の5日分について付与が義務化されます。違反した場合は30万以下の罰金(法120条)が適用されます。

「今後の労働時間法制等の在り方について」(平成27年2月13日)
https://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11201250-Roudoukijunkyoku-Roudoujoukenseisakuka/houkoku.pdf

 

【取り扱いの際の注意点】

◇適用日
2019年4月1日以外の日が有給付与の基準日の場合、施行日以降最初の基準日が改正後の適用となります。

【例】毎年1月1日一斉付与の場合は、2020年1月1日からの年次有給休暇について新法が適用となります。

「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律(平成30年7月6日公布)」付則第4条
https://www.mhlw.go.jp/content/000307765.pdf


◇通常よりも前倒しして付与している場合

通常付与する基準日より前の日であって、10日以上の有給休暇を与えることとする日から1年以内の期間に5日以上の年休付与を与えなければなりません。

【例】4月1日入社(本来なら10月1日付与)で入社日に10日有給付与の場合、翌3月31日までに5日取得しなければなりません。


◇ダブルトラック(入社年と翌年で付与日が異なるケース)

履行期間(入社年の基準日を始期として翌年の基準日以降1年が経過する日を終期とする)の月数を12で除した数に5を乗じた日数について当該期間中に取得させます。

【例】4月1日入社で10月1日に10日付与、その後社内の斉一的取扱いにより、翌年4月1日に11日付与の場合、入社年10月~翌4月1日の1年経過後3月31日までの18月÷12月×5=7.5日(端数処理は現時点不明)について取得させます。


◇上記前倒しとダブルトラック経過後の取扱い

それぞれの基準日から1年後の日が基準日とみなされます。

【例】
①4月1日入社(通常の付与は10月1日)で前倒しして4月1日に10日付与している場合は、翌4月1日が次の基準日とみなされます。
②4月1日入社で10月1日に10日付与、その後翌4月1日に11日付与の場合は、3年目の付与日は4月1日とみなされます。


◇分割して付与している場合

合計10労働日に達した付与日が基準日となり、その日から時季指定義務が適用されます。

【例】4月1日入社で入社日の5日付与、その後10月1日の残りの5日を付与する場合は、10月1日が基準日となります。また、入社日に付与した5日中3日を基準日(10月1日)以前に取得済みの場合は、残り2日について、時季指定義務の対象となります。

厚生労働省 第145回労働政策審議会労働条件分科会(平成30年8月9日開催)
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000024580_00003.html

同会 資料No.3年休を前倒しして付与した場合の年休時季指定義務の特例について(案)
https://www.mhlw.go.jp/content/12602000/000344355.pdf


◇年次有給休暇の管理

取得状況の把握のため、年次有給休暇管理簿を作成した上でその取得状況を労働者及びその上司に周知することが規定されます。

厚生労働省 第146回労働政策審議会労働条件分科会(平成30年8月27日開催)
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000024580_00004.html
同会 資料No.5労働時間等設定改善指針の改正について(案)(報告)
https://www.mhlw.go.jp/content/12602000/000348449.pdf

ご不明点な点は、HR+担当者までお問い合わせください。

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