コラム

コラム 詳細

2018年10月23日 (火)コラム

労働者派遣法の改正概要 ~働き方改革関連法による不合理な待遇の禁止等~

こんにちは、HRプラス社会保険労務士法人の星野陽子です。

さて、6月29日に可決成立された働き方改革関連法により、2020年4月1日より労働者派遣法も改正施行されます。今回は、働き方改革関連法による改正点、不合理な待遇の禁止等について、概要を確認していきましょう。

■均等・均衡ルール

働き方改革関連法では、均等・均衡ルールが適用されることになりますが、派遣労働者の場合とパート・有期雇用労働者の場合とでは比較の対象が異なります。
パート・有期雇用労働法では、1つの会社の中でのパート・有期雇用労働者と通常の労働者を比較します。
しかし、派遣労働者については、雇用主が派遣元であるのに対して、就労先が派遣先であるという特殊性があるため、派遣労働者と派遣先の通常の労働者とを比較することになります。


■派遣先からの情報提供

ところが、比較対象となる派遣先の通常の労働者の賃金等の待遇については、当然、派遣元ではわかりません。そのため、派遣先から派遣元への情報提供が義務付けられました。
これにより派遣元は、派遣労働者と派遣先の通常の労働者とを比較し、その待遇について不合理と認められる相違を設けてはならないことになります。
① 基本給、賞与その他の待遇それぞれについて、その待遇に対応する派遣先の通常の労働者の待遇と比較
② 「職務の内容」「人材活用の仕組み等(職務の内容および配置の変更の範囲)」「その他の事情」のうち、待遇の性質・目的に照らして適切と認められるものを考慮して不合理の有無を判断

なお、派遣先の通常の労働者と同視すべき派遣労働者については、すべての差別的取扱いが禁止されます。
① 「職務の内容」「人材活用の仕組み」が派遣先の通常の労働者と同一である派遣労働者が対象
② 対象となる派遣労働者は、基本給、賞与その他の待遇のそれぞれについて派遣先の通常の労働者と比較して不利な取扱いが禁止される


■均等・均衡ルールの特例

しかしながら、派遣元が派遣労働者の待遇について労使協定を締結しているときは、上述のルールは適用されません。
この労使協定は、派遣元事業主と過半数労働組合(過半数労働組合がない場合は過半数代表者)との間で書面により締結されるもので、派遣労働者の待遇について、①対象となる派遣労働者の範囲、②派遣労働者の賃金を決定する方法を定めます。


■おわりに

いかがでしたか。
派遣元は、均等・均衡ルールについては先に述べた2つの方法のうち1つを選択できることになりますが、特例によらない場合、派遣先が変わるごとに賃金水準が変わってしまいますので、派遣労働者の所得が不安定になるなど、実務上の取扱いが難しくなることも想定されます。そのため、一般的には労使協定を締結する特例を用いるケースが多くなるように思われます。

ページトップへ戻る