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2018年11月16日 (金)コラム

海外赴任者の年末調整・確定申告は忘れずに!

こんにちは。HRプラス社会保険労務士法人の三枝です。
通常の人事総務、経理業務でも年末調整の時期となりましたが、今回は海外赴任者を出す時、うっかり忘れがちになる手続である海外赴任者の年末調整と確定申告について、ご紹介しようと思います。
この手続、名前こそ年末調整とついていますが、海外赴任者が出国する日までに完了させなければならない手続なので、それこそ人事異動のある時、随時行う手続となります。本手続きは、1年間で支払うべきことが確定した給与の総額が2000万円を超えている人は対象とはなりません。通常の年末調整の手続きと同様、この手続を行うことで所得税の還付・徴収による清算が行われます。

■まずは手続きに必要な書類を取り寄せましょう

この手続は通常の年末調整の時と同様に、物的控除、いわゆる社会保険料・生命保険料・地震保険料・小規模企業共済等掛金と、人的控除、いわゆる配偶者控除・扶養者控除等についての計算を行います。しかし、その期間が1月1日から海外赴任者の出国の日までについて行われるというものです。
海外赴任者を出すことが決定したら、赴任者本人には、生命保険料控除証明書等の証明書を保険会社から取り寄せる手配をするよう促しましょう。
物的控除については通常の年末調整と違うのは、住宅ローン控除について、日本に持家がある場合、その年の12月31日まで住宅を居住の用に供していることが必要なので、年内に出国をすると、留守宅に家族が住んでいたとしても住宅控除の適用がなくなります。外国の社会保険料および外国の保険会社等事業所が締結した生命保険契約で国外において締結したものは控除対象とはなりませんので、注意が必要です。


■海外赴任者は必ず納税管理人を立てて確定申告を行う手配をしましょう

医療費控除や雑損控除、寄付金控除については、年末調整での計算対象にしていないことから、これらの控除を受ける場合は、納税管理人を日本国内に立てて、確定申告を別に行う必要があります。
出国の日までに、すでに利子所得や配当所得、事業所得、不動産所得等の総合課税の対象となる所得があるとき、また、出国日以降、日本の留守宅を貸出し、所得を得る場合、国内にある資産譲渡し所得を得たときには、確定申告が必要となります。
納税管理人については、必ず非居住者となる海外赴任者が最後に住民票を置いていた最後の市区町村を管轄する税務署に、出国の日までに届け出ましょう。納税管理人は、日本の国内に残す親族や税理士、会社の総務担当者等を選任していくことが多いです。
納税管理人の届出を忘れて出国をすると、確定申告の申告期限の猶予や扶養控除の面で手続が厳しくなりますので、必ず行うようにしましょう。


■地方税について

海外赴任者の海外側での居留許可及び就業許可状況によりますが、これから年末年始の出国される方は、注意が必要です。日本の地方税「都道府県税と市町村税」については前年度の所得について課税される税金となります。たとえば、平成30年1月1日から平成30年12月31日までの所得に対してかかる住民税は平成31年6月から徴収開始となります。
なお、課税される年の1月1日に住民票がある市区町村で課税される仕組みとなっています。
海外赴任者が12月31日までに海外赴任のため、戸籍転出の手続きを市区町村で行うとその翌年の住民税については徴収されませんが、1月1日に転出手続を行うと住民税が課税されます。1月1日以降年初に出国される方は、住民税の普通徴収が行われますので、こちらの納税手続きも忘れずに行いましょう。住民税の普通徴収は6月以降年4回に分けて納税するか、一括納税かになりますので、必ず確認をしましょう。


■まとめ

海外赴任者の納税については、赴任者本人で届出や申出を行うものが多々ありますので、人事労務担当をされる方からは、出国前に必ず1度税務署・各市区町村の住民税徴収部門へ事前に本人が行う手続きがないかリマインドを行うように心がけましょう。追徴課税となる場合、国内にいても大変な手続きが海外からのハンドリングを迫られ、多くの困難が予想されますので、海外赴任スケジュールまでの間に、どこか1日、必ず役所の関係部門に出向く日を設定されるとよいかもしれません。

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