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2018年11月16日 (金)コラム

マタニティハラスメントとは

こんにちは。HRプラス社会保険労務士法人の大谷です。
これまでは「セクハラ」「パワハラ」を取りあげてきましたが、今回は「マタニティハラスメント」についてご説明いたします。


■マタニティハラスメントとは

マタニティハラスメント(以下マタハラ)とは、働く女性が妊娠、出産に伴う就業制限や産前産後、育児休業などによって業務上支障をきたすことを理由に、身体的・精神的な嫌がらせを受けたり、解雇・雇止め、退職強要、配置転換等の不利益や不当な扱いを受けることを言います。
マタハラに関する相談は、以前からセクハラ、パワハラといった訴えの中に存在していたのですが、2013年に連合がインターネットによる「マタニティハラスメントに関する意識調査」を実施してから「マタハラ」という言葉が一気に広がり、今では知らない人はいないと言ってもよいほど市民権を獲得しています。平成29年度に雇用環境・均等部(室)が行った是正指導ではセクハラを上回る5,764件がなされたことでも企業対応が求められていることがわかるのではないでしょうか。


■マタハラ最高裁判決について

マタハラへの対応という点で2014年10月23日に下された最高裁判決は押さえておくべきです。これは「妊娠による体調不良が原因となる異動で管理職から降格させたことは、均等法第9条第3項に不利益取扱いに当たる」として女性側の勝訴となった事案です。病院勤務の女性が、妊娠したため労基法65条3項に基づき軽易な業務への転換を希望したところ、病院側はその部署にすでに副主任がいたため、女性の副主任の地位を解いたうえで配転することにし、女性もこれに同意したのですが、育休復帰後も副主任に戻さなかったことが「不利益扱い」であるという判断を下したということです。
一度管理職として昇格させた社員を降格させる場合には、事前にその根拠(基準)を定めておくことが必要であり、本人にその理由を十分説明し納得してもらわなければなりません。この点をしっかりと押さえておくことが大切です。


■マタハラ防止措置義務

2017年1月からマタハラ防止に関し、男女雇用機会均等法と育児・介護休業法で以下の措置義務が課されています。

・事業主の方針の明確化及びその周知・啓発
・相談に応じ適切に対応するために必要な体制の整備
・ハラスメントへの事後の迅速かつ適切な対応
・ハラスメント発生要因の解消のための措置

人事担当者としては、自社の就業規則または育児介護休業規則などにおいてこの措置への対応ができているか、相談窓口が設置されているかなどを確認してください。


■マタハラになる例について

以下の言動はマタハラになる典型例です

・産前休業の取得を上司に相談したところ、「休みを取るなら辞めてもらう」と言われた
・「自分だけ短い時間しか働かないなんて周りに迷惑だ」と上司に繰り返し言われた
・上司に妊娠を報告すると、「次の人を雇うから早く辞めてくれ」と言われた
・「妊婦はいつ休むかわからない」と上司に繰り返し言われ、通常の業務に就くことができない。

明らかに嫌がらせです。でも実際にそういう発言をしたことが原因で相談・苦情が発生しているのです。
このようなことがないよう、パワハラ・セクハラ同様に社員研修などで周知徹底を図るとよいでしょう。

 

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