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2018年12月17日 (月)コラム

健康保険組合について

HRプラス社会保険労務士法人の菅谷詩歩です。普段は持っていることが当たり前で、気にかけることはありませんが、急な病気で病院へいくとき、健康保険証はとても頼りになる存在です。今回はもう一つの保険者機関である『健康保険組合』について、紹介します。

■健康保険組合について

『健康保険組合』は全国に1394あり、加入者は2900万人だそうです。この健康保険組合とは国から認可を受けて健康保険事業を行う団体です。大枠は定められているものの各自が規約に基づく自主的な運営により、所属している被保険者の特徴に合った事業展開を心がけています。そのため、国(社会保険庁)から運営を引き継いだ「協会けんぽ」より、保険料が安く、独自のサービスや付加給付を設けている団体もあります。特に健康維持に力を入れている団体が多く、組合主催のフットサル大会やメンタルヘルス対策として“体験カウンセリング”の導入、また、健康診断を受けない従業員や、要再検査の診断が出たにもかかわらず、医療機関を受信しなかった従業員・上司に対して賞与を減額する「ディスインセンティブ制度」を実施した組合もあります。(この制度導入後、健康診断受診率は100%だそうで、被保険者の8割から「この制度はいいことである」と理解を得られているとのことです。)

しかし、近年の高齢者医療費増大に伴い、存続が危ぶまれている組合も多く存在しており、大きな問題となっています。健保連の調べによると、平成30年における赤字組合数は、866組合で、全組合の6割以上にも上るとのことです。

もともと国民皆保険制度が設立した当時は、働き手の数が多く、健康であまり病院にも行かない若い世代が高齢者の医療費を支えるという構図が保たれていました。そのため、現状に重ねると超高齢化社会の現代では、支える若手世代の数が減り、制度に無理が出てきてしまいました。

また、ここ最近では「被扶養者の資格厳格化」の動きが出てきました。今秋から協会けんぽやいくつかの健康保険組合では、被扶養者の生計維持要件を従来よりも厳しく審査する方針になり、提出必須の証明書類が増えました。

これは近年、外国人による公的医療制度の不適切利用が問題化していることが一因となっています。事例としては、訪日経験のない海外在住の家族を健康保険の被扶養者にして、日本で安い治療費で医療を受けるといったものや、悪質なものだと、知人や親戚に自分の保険証を貸して、医療を受けさせるといった問題があります。

次回は「健康保険事業の抱える課題」についてご紹介します。

(あしたの健保プロジェクト)

http://www.ashiken-p.jp/about/

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