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2019年01月31日 (木)コラム

パワーハラスメントの法制化と予防策について

こんにちは。HRプラス社会保険労務士法人の大谷です。ハラスメントシリーズ第10回は、今年の通常国会に提出が予想される「パワハラ関連法案」にちなんで、少し早めに企業として取るべき予防策について具体的にご説明したいと思います。

◆法制化への動きについて

みなさまもご存じのとおり、パワーハラスメントは、パワー(優位性)とハラスメント(いやがらせ)という言葉の組み合わせで作られた造語で法律的な定義はまだありません。しかしながら、昨年後半厚生労働省の労働政策審議会の分科会で繰り返し議論が交わされ、次の通常国会に企業の防止措置義務などを盛り込んだ法案が提出され、来年春に法制化される見込みが高くなりました。分科会の資料では、パワハラの定義は「職場のパワーハラスメント防止対策についての検討会」報告書(平成30 年3月)の概念を踏まえて、以下の3つの要素を満たすものとすることが適当である、と記されています。

ⅰ) 優越的な関係に基づく

ⅱ) 業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動により

ⅲ) 労働者の就業環境を害すること(身体的若しくは精神的な苦痛を与えること)

今後はこの動きによってますますパワハラに関する相談は増えていくことになるでしょう。企業としては早めに予防策を講じてトラブルが増えないように準備していくことが求めらられます。

 

◆5つの予防策

厚生労働省の「あかるい職場応援団」というパワハラ専用のWEBサイトがあります。ここで「人事担当者向け」に以下の5つの予防策が挙げられています。

・トップのメッセージの発信

・社内ルールの決定

・アンケートによる実態の把握

・教育・研修

・社内での周知啓蒙

また、問題解決策として

・社内相談窓口の設置

・再発防止策のための取り組み

も記載されています。

 

大事なことは一気にこれらを整備するのではなく、ある程度時間をかけて1つ1つクリアしていくことです。その点でまず最初に手掛けるべきは「経営トップからの(パワー)ハラスメント撲滅のメッセージ」の発信です。

 

◆トップメッセージで何を伝えるか、トップをどう説得するか

経営トップが明確に「職場のパワーハラスメントはなくすべきものである」という方針を全社的に伝えることが望まれます。パワハラには聖域がなく、社員がお互いの人格を尊重する姿勢をトップ自らの言葉で朝礼や会議の場で話していただいたり、また全社的な通知を発信するなどして伝えていただくとよいでしょう。具体的な文例などは「あかるい職場応援団」にありますのでぜひそれを参考にしてみてください。

また、パワハラ対策が必要であることは、法制化対応ということを超えて「従業員のメンタルヘルスの悪化」「組織風土の悪化」「職場の生産性の低下」「優秀な人材の社外流出」「訴訟等による社名公表など風評劣化」など損失リスクへの対応やコーポレートガバナンスの切り口で、トップを説得するとよいでしょう。

 

次回は今回の続きとして、就業規則や労使協定へのルール化やアンケートの実施についてご説明する予定です。

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