コラム

コラム 詳細

2019年04月05日 (金)コラム

パワーハラスメントの予防策 ~「社内ルールの決定」~

こんにちは。HRプラス社会保険労務士法人の大谷です。

今回のハラスメントは、前回に引き続き、パワーハラスメントの予防策についてご紹介したいと思います。前回の「経営トップからのハラスメント撲滅のメッセージ」の発信の次には「社内ルールの決定」を進めましょう。

◆社内ルールの作成

社内ルールとしては、基本的には就業規則で「職場のパワーハラスメントの禁止」条項を設けるとともに懲戒規定等に基づき厳正に対処する旨を定めます。さらにパワーハラスメント防止の実効性を高めるためには、就業規則に委任の根拠規定を設けて、「パワーハラスメント防止規程」を定め、具体的で詳細な内容を記載するのが良いでしょう。項目としては、パワーハラスメントの定義、行為の禁止、懲戒、相談・苦情への対応などがあげられます。

◆防止規程の規定例

規定例としては

(目 的)

第1 条 この規程は、就業規則第□□条に基づき、職場におけるパワーハラスメントを防止するために従業員が順守すべき事項及び雇用管理上の措置について定める。

(定 義)

第2 条 パワーハラスメントとは、同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為をいう。

2 前項の「職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に」とは、直属の上司はもちろんのこと、直属の上司以外であっても、先輩後輩関係などの人間関係により、相手に対して実質的に影響力を持つ場合のほか、キャリアや技能に差のある同僚や部下が実質的に影響力を持つ場合を含むものとする。

3 第1 項の「職場」とは、勤務部署のみならず、従業員が業務を遂行するすべての場所をいい、また、就業時間内に限らず実質的に職場の延長とみなされる就業時間外を含むものとする。

4 この規程の適用を受ける従業員には、正社員のみならず、パートタイム労働者、契約社員等名称のいかんを問わず会社に雇用されているすべての労働者及び派遣労働者を含むものとする。

(禁止行為)

第3 条 前条第1 項の規定に該当する行為を禁止する。

2 上司は、部下である社員がパワーハラスメントを受けている事実を認めながら、これを黙認する行為をしてはならない。

(懲 戒)

第4 条 前条に定める禁止行為に該当する事実が認められた場合は、就業規則第○○条及び第△△条に基づき懲戒処分の対象とする。

(相談及び苦情への対応)

第5 条 パワーハラスメントに関する相談及び苦情の相談窓口は本社及び各事業場で設けることとし、その責任者は人事部長とする。人事部長は、窓口担当者の名前を人事異動等の変更の都度、周知するとともに、担当者に対する対応マニュアルの作成及び対応に必要な研修を行うものとする。

2 パワーハラスメントの被害者に限らず、すべての従業員はパワーハラスメントに関する相談及び苦情を窓口担当者に申し出ることができる。

3 相談窓口担当者は、前項の申し出を受けたときは、対応マニュアルに沿い、相談者からの事実確認の後、本社においては人事部長へ、各事業場においては所属長へ報告する。人事部長又は所属長は、報告に基づき、相談者のプライバシーに配慮した上で、必要に応じて行為者、被害者、上司並びに他の従業員等に事実関係を聴取する。

4 前項の聴取を求められた従業員は、正当な理由なくこれを拒むことはできない。

5 所属長は、対応マニュアルに基づき人事部長に事実関係を報告し、人事部長は、問題解決のための措置として、前条による懲戒のほか、行為者の異動等被害者の労働条件及び就業環境を改善するために必要な措置を講じる。

6 相談及び苦情への対応に当たっては、関係者のプライバシーは保護されるとともに、相談をしたこと、又は事実関係の確認に協力したこと等を理由として不利益な取扱いは行わない。

(再発防止の義務)

第6 条 人事部長は、パワーハラスメントが生じたときは、職場におけるパワーハラスメントがあってはならない旨の方針及びその行為者については厳正に対処する旨の方針について、再度周知徹底を図るとともに、事案発生の原因の分析、研修の実施等、適切な再発防止策を講じなければならない。

(出典:「職場のパワーハラスメント対策ハンドブック」公益財団法人21世紀職業財団)

があります。

これを参考にして、セクシュアルハラスメントなど既存の自社の服務規律に関する規程の内容を踏まえて作成すると良いでしょう。

◆社内ルールの周知

就業規則または委任規程で定めた場合は、社員への周知が必要です。できれば作成する過程でコンプライアンス部門や労働者代表と意見交換するなどして、作成目的や意義を共有化しておくと制定後の浸透度が高まります。自社からパワーハラスメントを撲滅するためにも、トップメッセ―ジ発信から、さほど間隔をあけることなく社内ルールを作成・周知することが大切です。

次回は今回の続きとして、アンケートの実施、社内研修についてご紹介する予定です。

ページトップへ戻る