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2019年05月16日 (木)コラム

就業規則についての基礎知識②

こんにちは。HRプラス社会保険労務士法人の小林でございます。

今回は就業規則を届出する際の流れについてご説明していきます。

就業規則を作成したり、変更する場合には労働者代表の意見を聞く必要があります。前回もご説明したとおり、就業規則は事業主が一方的に作成できるものです。しかし、労働者が知らない間に労働条件が一方的に不利益に変更されたり、著しく厳しい服務規律などが定められることのないように、就業規則を作成したり、変更する場合には労働者の代表の意見を聴かなければならないこととされています。

ここでの「意見を聴く」とは、文字通り意見を求める意味で、必ずしも同意を得るとか協議することまで要求しているものではないということです。もちろん不利益な変更を行う場合には、別途対応が必要となりますが、今回は提出する際に必要な事務手続きのご説明をさせていただきます。

また、労働条件は労使対等の立場で決定するのが原則です。あくまで一方的に決めようとするのではなく、労働者代表の意見については、できる限り尊重するのが望ましいといえるでしょう。

◆労働者代表について

(1)労働者の代表とは

事業場ごとにみて

①労働者の過半数で組織する労働組合がある場合にはその労働組合

②労働組合がない場合や労働組合があってもその組合員の数が過半数を占めていない場合には「労働者の過半数を代表する者」

 

(2)労働者の過半数を代表する者とは

(1)②の「労働者の過半数を代表する者」とは、その事業場の労働者全員の意思にもとづき選出された者をいいます。過半数を代表する者は、次のいずれにも該当しなければなりません。

①労働基準法第41条第2号に規定する監督又は管理の地位にある者でないこと

②就業規則について、従業員を代表して意見書を提出する者を選出することを明らかにして実施される投票、挙手等の方法により選出された者であること

 

(3)選出方法の例

・投票により、過半数の労働者の支持を得た者を選出する方法

・挙手により、過半数の労働者の支持を得た者を選出する方法

・候補者を決めておいて投票とか挙手とか回覧によって信任を求め、過半数の支持を得た者を選出する方法

・各事業場ごとに職場の代表者を選出し、これらの者の過半数の支持を得た者を選出する方法

なお、次のような選出方法は認められませんので、注意が必要です。

・使用者が一方的に指名する方法

・親睦会の代表者を自動的に労働者代表とする方法

・一定の役職者を自動的に労働者代表とする方法

・一定の範囲の役職者が互選により労働者代表を選出する方法

また、事業場全体の労働条件などを管理する立場にある者は、上記①の「監督又は管理の地位にある者」に該当するため労働者代表としての適格性を有しませんので、注意が必要です。当然のことですが、過半数代表者になろうとしてこと、過半数代表者であること、過半数代表者として正当な行為をしたことを理由として、労働条件について不利益に取り扱うことは許されません。

(4)意見書の必要記載事項

・労働者代表が事業主にこの意見書を提出した日付

・事業主の職氏名

・労働者代表が意見を求められた日付

・労働者代表が事業主に表明する意見(特段の意見がない場合でも空欄にせず、「意義なし」などと記入)

・労働者代表の署名または記名押印

 

◆届出の手続きについて

(1)提出書類

・就業規則

・就業規則(変更)届

・意見書

※就業規則(変更)届及び意見書の様式は、特に定められていません。適宜のもので差し支えませんが、参考例の様式は東京労働局のホームページからダウンロードできます。

 

(2)提出先

本店、支店等の事業場ごとに、それぞれの所在地を管轄する労働基準監督署長に直接、または郵送にて届け出ます。

 

(3)届出を郵便でされる場合で、控え(写)が必要なとき

・原本及び控え(写)

・返信用の切手及び封筒(封筒にはあらかじめ返信先を記入)

・送付状(同封した内容物とその数量を記入)

 

いかがでしたでしょうか。今回ご説明したポイントを押さえていただければ、就業規則の提出はマスターしていただけたかと思います。次回は就業規則を届け出た後に、するべきことについてご紹介していきます。

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