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2019年06月13日 (木)コラム

パワハラ防止対策関連法が成立

こんにちは。HRプラス社会保険労務士法人の大谷です。

今回のコラム「ハラスメントシリーズ」は、新聞報道でもご存知の5月29日に成立した「パワハラ防止法」について解説いたします。とはいえ、よくおわかりの方はこの表現が間違っていることにお気づきでしょう。まずはそのことから触れていきたいと思います。

◆パワハラを直接禁止する法律はない

今回成立した法案は「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律等の一部を改正する法律案」で、

(1)女性活躍推進法 (2)労働施策総合推進法 (3)男女雇用機会均等法 (4)労働者派遣法 (5)育児・介護休業法

の5本の法律の改正です。

この中で、「労働施策総合推進法」において企業等にパワハラ防止措置を義務づけることになったのです。「パワハラ防止法」という法律が制定されたのではありませんし、パワハラという行為を直接禁止したり、罰則規定は設けていません。

 

◆パワハラの定義は?

では、パワハラについて、どのように定義されたのでしょうか?

法案では「職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題」と定義しており、

・事業主は、職場において行われる優越的な関係を背景とした言動であって、業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより ・その雇用する労働者の就業環境が害されることのないよう ・当該労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の雇用管理上必要な措置を講じなければならないこととする

とされています。

これは、これまで定義として説明されてきた平成24年厚生労働省「職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議ワーキング・グループ報告」の「パワハラ要素」

・職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、

・業務の適正な範囲を超えて、

・精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為

を踏襲していると言ってよいでしょう。

 

◆では企業はなにをやるのか?

このパワハラ防止義務措置がいつから施行となるかについては、「公布日から1年以内の政令で定める日(中小企業については、公布日から3年以内の政令で定める日)」となっていますので、

・大企業  令和2年4月1日

・中小企業 令和4年4月1日

に施行される見込みとなっています。

具体的な対応としては

「事業主に対して、パワーハラスメント防止のための雇用管理上の措置義務(相談体制の整備等)を新設あわせて、措置の適切・有効な実施を図るための指針の根拠規定を整備」とあるとおり、年内に厚生労働省から出される予定の指針に従って、体制整備や教育を進めていくことになります。

ただ、いまやハラスメントは、労働関係のトラブルの最大の課題となっています。今回の法改正をきっかけに、前々回のコラムでご紹介した以下の対応策を早めに進めていくことが望ましいと考えます。

(1)トップのメッセージの発信

(2)社内ルールの決定

(3)アンケートによる実態の把握

(4)教育・研修

(5)社内での周知啓蒙

(6)社内相談窓口の設置

(7)再発防止策のための取り組み

※このうち(1)と(2)は前回コラムを参照ください。

 

次回は、(3)アンケートの実施(4)社内研修についてご紹介いたします。

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