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2019年06月20日 (木)コラム

業務上の負傷について

こんにちは。HRプラス社会保険労務士法人の九内です。今回は、労災保険の保険給付の対象となる業務上の負傷とはどのようなものかについてあらためてご案内いたします。

業務災害とは、労働者の業務上の負傷、疾病、障害又は死亡をいいます。

業務災害とは、業務が原因となった災害ということであり、業務と傷病等との間に一定の因果関係があることをいいます。  この業務災害に対する保険給付は、労働者が労災保険の適用される事業場(法人・個人を問わず一般に労働者が使用される事業は、適用事業となります。)に雇われて働いていることが原因となって発生した災害に対して行われるものですから、労働者が労働関係のもとにあった場合に起きた災害でなければなりません。

■業務災害の要件

業務災害の認定にあたって第一条件として「業務遂行性」の有無が判断され、これが認められた上で「業務起因性」の有無が判断されます。

①業務遂行性

労働者が労働契約にもとづいて事業主の支配・管理下にあること

仕事中に災害にあったかどうかを指します。

②業務起因性

業務または業務行為を含めて、業務遂行性に伴う危険が現実化したものと経験則上認められること。(仕事の業務が原因となって災害が発生したこと。仕事の業務と災害との間に因果関係があること)

■業務上の負傷

大きく分けて以下の通り考えていきます。

①事業主の支配・管理下で業務に従事している場合

これは、所定労働時間内や残業時間内に事業場内において業務に従事している場合が該当します。 この場合の災害は、被災労働者の業務としての行為や事業場の施設・設備の管理状況などが原因となって発生するものと考えられるので、特段の事情がない限り、業務災害と認められます。  なお、次の場合には業務災害とは認められません。

(1)労働者が就業中に私用((私的行為)を行い、又は業務を逸脱する恣意的行為をしていて、それらが原因となって災害を被った場合

(2)労働者が故意に災害を発生させた場合

(3)労働者が個人的なうらみなどにより、第三者から暴行を受けて被災した場合

(4)地震、台風など天災地変によって被災した場合

※ただし、事業場の立地条件や作業条件・作業環境などにより、天災地変に際して災害を被りやすい業務の事情があるときは、業務災害と認められます。

②事業主の支配・管理下にあるが業務に従事していない場合

 これは、昼休みや就業時間前後に事業場施設内にいる場合が該当します。  出社して事業場施設内にいる限り、労働契約に基づき事業主の支配管理下にあると認められますが、休憩時間や就業前後は実際に業務をしているわけではないので、行為そのものは私的行為です。  この場合、私的な行為によって発生した災害は業務災害とは認められませんが、事業場の施設・設備や管理状況などがもとで発生した災害は業務災害となります。  なお、用便等の生理的行為などについては、事業主の支配下にあることに伴う行為として業務に付随する行為として取扱われますので、この場合には就業中の災害に準じて、業務災害として認められない場合を除いて、施設の管理状況等に起因して災害が発生したかというものと関係なく業務災害となります。

事業主の支配にあるが、管理下を離れて業務に従事している場合 

これは、出張や社用での事業場施設外で業務に従事している場合が該当し、事業主の管理下を離れてはいるものの、労働契約に基づき事業主の命令を受けて仕事をしているわけですから事業主の支配下にあり、仕事の場所はどこであっても、積極的な私的行為を行うなど特段の事業がない限り、一般的に業務に従事していることから、業務災害について特に否定すべき事情がない限り、一般的には業務災害と認められます。

 

■終わりに

状況によりこれは業務災害なのかそうでないのかは判断が迷う場面が多くあると思います。次回は判断に迷う場面のご紹介と業務上の疾病についてお伝えしていきたいと思います。

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