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2019年07月05日 (金)コラム

年金について(番外編)

こんにちは。HRプラス社会保険労務士法人の中臺です。

つい先日まで、ニュースはとある年金の話題で賑わっていました。それは『老後2000万円』問題です。

年金の制度自体が急に変わったわけでもなく、日本の根幹を揺るがすような大事件が起こったわけでもないのになぜ急にこのような話題が出てきたのでしょうか?

日本の年金給付制度の観点から今回のニュースを見ていきたいと思います。

 

◆記事の概要

職業生活から引退した夫婦の場合、夫婦でもらえる年金額に対して、出費の方が5万円上回る。平均寿命を考えれば約2000万円年金の他に貯蓄が必要になる。

ということのようです。

それに対して、国民の声として聞こえてくるものの中には、

・年金だけで暮らせないのでは何のための年金

・年金を払う意味がない

というのがありました。

 

◆事の発端〜財政年金検証〜

そもそも今回の発端は金融庁審議会の報告書です。その中で老後は2000万円必要と記載されていました。後日撤回され現在もそのままの状況です。

この発表に拍車をかけたのが財政年金検証です。

財政年金検証とは5年に1度、今後100年間の年金制度が問題ないかを検証する制度です。

前回が平成26年だったので今年検証の年なのですが、例年報告が発表される時期になっても、今年はまだ発表されていません。

そこで金融庁の発表と加えて、年金は制度としてまずいのかと話題になりました。

 

◆年金の給付制度

そのため、今後の年金制度がどうなっていくかは現状不透明とはなっているのですが、年金制度がそう簡単に崩れることはありません。

ここからは現在の制度で解説していきます。

年金給付制度の根幹を支えるのは、世代間扶養、そして国庫負担です。

まず世代間扶養とは現役世代が払った保険料は受給世代に支払われるというものです。

労働の義務がある日本という社会の中では、労働がなくなることはなく、給付の財源確保という意味では堅実な制度です。

ただし、現在日本は少子高齢社会となっており、支え手不足となっていることは事実です。

では、少子高齢社会になることで年金は破綻するのでしょうか。そうではありません。

それがもう一つの国庫負担によります。

国庫負担とは受給者に払う年金の一部を国が払うというものです。

この割合は平成21年より前は3分の1でしたが、以降は2分の1になりました。

ちなみにこの変更は平成16年の年金財政検証の結果を受けてとなります。

 

◆まとめ

ここまで見てきた通り、確かに世代間扶養を前提とした年金制度は厳しいものとなってきてはいますが、今すぐ年金制度にヒビが入るというものではありません。

ただし、2019年財政検証は今後の年金の指標となってきますので、注意してみていきたいと思います。

 

また、『2000万円問題』については再度情報が公表されたら、想定ケースはどのようなものか、それが自分にどのくらい当てはまるのかを考える必要があります。

支出は当たり前ですが、収入となる年金も多種多様で人によって異なります。

政府から公表された数字を鵜呑みにせず、しっかり自分のケースとして落とし込んだ上で今後のライフプランの参考にしていただければと思います。

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