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2019年11月28日 (木)コラム

パワーハラスメントの解決策~相談窓口設置~

こんにちは。HRプラス社会保険労務士法人の大谷です。

今回のコラム「ハラスメントシリーズ」は、職場のパワーハラスメント対策<第5回>として相談窓口設置と窓口担当者の役割についてご説明いたします。

 

◆相談窓口の設置

これまでは、トップメッセージやパワハラ防止研修といった予防策についてご説明して参りましたが、今回から解決策についてご紹介いたします。まず「相談窓口」の設置についてです。みなさん、もし会社に相談窓口がなかったら、どんなことになると思いますか?

被害者の会社に対する不満は増大し、職場環境悪化をさらに深刻化させるでしょう。法的責任として安全配慮違反を問われる可能性も高くなります。一方、被害者は外部に救いの手を求め、いきなり第三者から会社に連絡が入って、解決が困難になったり、情報が外部流出する危険もあります。初期対応としての相談窓口設置はとても大切なことなのです。

 

◆内部窓口と外部窓口

相談窓口には、内部窓口と外部窓口があります。それぞれの窓口がパワハラだけでなくセクハラ、マタハラなど様々なハラスメントに相談に対応できるようにいたしましょう。

内部窓口としては

・コンプライアンス担当部門

・人事労務担当部門

・管理職や従業員を相談員に選任し相談対応を行う

などが、人員や予算を考えると最も適切でしょう。

一方、外部窓口としては

・弁護士事務所

・ハラスメント対策のコンサルティング会社

など専門家に依頼することになります。

 

そしてこれらの相談窓口を設置していることを社員(アルバイト・派遣社員を含む)にきちんと周知しておくことが重要です。

私見ですが、社内窓口は担当者の氏名も記載して、相談者から見て誰が担当するか(できれば複数名)がわかるようにしておくと良いでしょう。一般的には、セクハラは女性窓口の方が被害者は安心して相談できると言われています。

 

◆社内相談窓口担当者の役割と留意点

相談担当者の役割には、相談の受付(一次対応)に限る場合と、相談の受付(一次対応)だけでなく事実確認なども行う役割がある場合があります。ここでは後者の場合の留意点を挙げておきます。

(1)相談対応の留意点<事前準備>

・ハラスメントの基本を理解する

・日頃の言動に気をつける

・相談環境(ハード面・ソフト面)を整える

・相談フォーマット(書式)を準備しておく

・傾聴のスキルを身につける

・対応する範囲を確認する

「日頃の言動に気をつける」とは、担当者自らがハラスメントを犯しそうであることなどはもってのほかで、「口が堅い」など信頼に足る人物であることが求められます。

 

(2)相談対応の留意点<面談中>

・中立性を保つ

・プライバシーや名誉を尊重する

・秘密が守られることを伝える

・個人的な意見は控える

・担当者一人で問題を抱え込まない

・事実と評価を区別する

・現在、被害者が望んでいる解決方法を確認する

「被害者が望んでいる解決方法を確認する」とは、被害者が話を聴いてほしいだけなのか、それとも加害者に謝罪してほしいのか、などをきちんとヒアリングすることです。

 

(3)事実確認

事実関係調査の順番は

被害者 ⇒ 加害者または第三者

の順番で行います。まずは、被害内容を5W1Hで具体的にヒアリングし、調査対象を明確に定めることが大切です。

 

加害者のヒアリングは非常に難しいのですが、以下の点に留意してください。

①事前準備

・被害者からの開示同意を得る

・客観的に認定できる事実の把握(時系列に整理しておくと良い)

・対比表を作る(供述の一致・不一致を把握することが重要)

②ヒアリング

・まずはオープンクエスチョンで話をさせる

・問題となる言動や行為から直接聞くのではなく、遠いところから聞く

・問題言動等について、ひとつひとつ確認し、認否をとる

③留意事項

・秘密録音されていることを前提に行う

・休憩時間を取るとともに長時間のヒアリングは避ける

 

◆最後に

以上が相談窓口の役割・留意点ですが、調査はかなり負担も多く、できれば二人体制で実施してください。ヒアリング時は一人が聞き役、もう一人は記録係とすると良いでしょう。また、できればハラスメントに関する外部研修などを受講してスキルアップや最新の知識の習得を図るようにしたいものです。

 

次回は、「再発防止取組」についてご紹介する予定です。

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