コラム

コラム 詳細

2020年03月26日 (木)コラム

セクシュアルハラスメント等の防止対策強化

こんにちは。HRプラス社会保険労務士法人の大谷です。
今回のコラム「ハラスメントシリーズ」は、セクシュアルハラスメント等の防止対策の強化について取り上げます。パワーハラスメント防止対策の義務化は大企業が対象(中小企業は努力義務)ですが、こちらは企業規模にかかわらず今年の6月1日から適用となるのでご注意ください。

◆3つの指針の改正
まず押さえておきたいのは「パワハラ指針」とは別に以下の3つの指針が改正されたことです。
1. 事業主が職場における性的な言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置についての指針(「セクハラ指針」)
2. 事業主が職場における妊娠、出産等に関する言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置についての指針(「マタハラ指針」)
3. 子の養育又は家族の介護を行い、又は行うこととなる労働者の職業生活と家庭生活との両立が図られるようにするために事業主が講ずべき措置に関する指針(「育児・介護休業指針」)
1と2は男女雇用機会均等法、3は育児・介護休業法が根拠法であることもお忘れなく。
(この3つを以下において「セクシュアルハラスメント等」とします。)
職場のハラスメントを取扱う上で、「パワハラ指針」を含め、4つの指針に目を通すのは少々非効率的な気もしますが、私だけでしょうか?

◆強化された内容
では具体的にはどのようなことが防止対策として強化されたのかを見ていきましょう。

1. 事業主の責務の明確化
事業主はセクシュアルハラスメント等を行ってはならないこと等に対する労働者の関心と理解を深めるとともに、労働者が他の労働者に対する言動に必要な注意を払うよう、研修の実施その他の配慮すること等に努めなければならない。
(労働者にも同様の責務を課している。)
2. 事業主に相談等をした労働者に対する不利益取扱いの禁止
労働者が相談等を行うことに躊躇ないよう、労働者がセクシュアルハラスメント等に関して事業主に相談したこと等を理由とした不利益取扱いを禁止する。
3. 自社の労働者が他社の労働者にセクシュアルハラスメントを行った場合の協力対応(セクシュアルハラスメントのみ)
事業主に対し、他社から雇用管理上の措置の実施(事実確認等)に関して必要な協力を求められた場合に、これに応じるように努めなければならない。

これら以外でも
職場におけるセクシュアルハラスメントの内容に関し、「性的な言動」について「当該言動を行う者には、労働者を雇用する事業主(その者が法人である場合にあってはその役員。)上司、同僚に限らず、取引先等の他の事業主又はその雇用する労働者、顧客、患者又はその家族、学校における生徒等もなり得る。」という記載が追加され、行為者範囲が労働者(自社の従業員)にとどまっていないことに留意が必要です。
また、「相談窓口の担当者に対し、相談を受けた場合の対応についての研修を行うこと。」も新設されています。相談窓口を形式的に設置するのではなく、訓練を受けた実効性のある窓口担当者が求められますね。

◆最後に
以上が、6月1日から企業規模に関係なく施行されるセクシュアルハラスメント等の防止対策の強化の概要です。パワハラ防止が注目されがちですが、今一度職場のハラスメント全体で自社がどのような措置を取るべきか検証していただければと思います。何かお困りのことなどありましたら弊所までご連絡ください。

ページトップへ戻る