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2020年05月07日 (木)コラム

スタートアップ企業と人事評価制度

1 はじめに 
今回はスタートアップ企業の人事評価制度について、楠が書かせて頂きます。

2 スタートアップ企業が生み出される背景
マイクロソフト、グーグルといったパブリッククラウドサービスが企業向けにも普及し、法人も自社でサーバーを構築しソフトウエアを購入せずとも、IT環境を利用できるようになりました。
クラウドサービスの台頭は「ビジネスモデルの変化」と言い換えることもできます。
充実した通信インフラが整備され、スマートフォンやタブレットなどのモバイル端末も普及したことで、インターネットを介してどこからでもアクセスできるソフトウェアサービス「SaaS」やサーバーやミドルウエアをプラットフォームとして活用できる「Paas」などが生まれ、利用した期間に応じて料金を支払う「サブスクリプション型」のビジネスモデルが一般化してきました。システムにしろアプリにしろ、「パッケージを購入して使う」というスタイルから、「必要な期間だけ利用料を払って、手軽に使う」スタイルへ、変化していきました。
この変化によって、ユーザーは新しいサービスを安価に、低リスクで使ってみることができますし、ベンダーも、より多くのユーザーに自社製品にふれてもらうチャンスが得られます。つまり、自社でサーバーを用意せずとも、アマゾンウエブサービスなどクラウドベンダーのPaasを利用し、その上に乗せるソフトウエアを開発し、新たな商品やサービスを世の中に出していけるような環境になってきています。 そのことがスタートアップ企業が誕生してきている背景にあると言われています。

3 カストマーカンパニー
ブランディングという言葉は以前からありましたが、昨今では、それよりも『評判』の方が大事だと言われています。ブランディングは企業が一方的に発していくのに対して、SNSの普及で個人も感想など情報をどんどん発信するようになりました。ブランディングとは、よく知っている状態の‘100’から全然知らない状態の‘0’までなのに対し、評判(レピュテーション)は大好きの‘100’から大嫌いの‘マイナス100’までありますので、企業としてはいかにマイナスを減らしプラスに持っていくことが成長のために求められます。
また、そういったSNSの膨大な個人の声をデータとして集め、分析し、ニーズとして取り込み、新たな商品やサービスを開発するために活用している会社もあります。そういう会社は例えば小売などでは売り場などリアルな顧客接点とSNSの顧客接点を活かし、マーケティング施策や商品開発と連携させるようにしています。

4 スタートアップ企業とエンジニア
スタートアップ企業にとって、エンジニアによる新しい商品やサービスの開発は事業の競争力そのものになるため、スタートアップ各社は優秀なエンジニアの採用に力を入れています。AIなどの知見があるエンジニアは若くとも高い報酬で迎えようとしています。ただ、個人としても組織としても、その持っている力を発揮させているか、また、定着についても頭を悩ませているスタートアップも多いと聞きます。また、スタートアップは事業を急拡大していくために、人を増やす過程で大変なことも多いようです。

5 スタートアップ企業の人事制度
スタートアップ企業の人事制度を調べ、トレンドがあることがわかりました。
① OKR
企業(事業)目標と個人の目標をリンクさせる手法(定量的に目標を設定する)。チャレンジングな目標を設定し、達成率も100%でなく60~70%の達成でいいものとする。達成までのプロセスを評価する。
② バリューとのつながりのある目標設定(行動目標)
企業が急拡大していく中で、創業者の思いや企業が大事にしていることを共有し、価値観にそった行動をしているかを評価する。
③ 評価スパンの短さ
事業のPDCAを高速に回すため、評価スパンを半年ではなく、四半期に設定している会社もあります。評価する側もされる側も運用面では大変なこともあるようです。
④ コミュニケーション
定性的な評価項目もあり、納得感を高めていくため、週1回の1on1ミーティングを実施している企業もあります。
⑤ エンジニアとしての評価軸
開発した商品やサービスが事業の成長に直結していくため、エンジニアの技術力そのものを評価したり、生み出したサービスがどう事業に貢献したのかを評価している会社もあります。技術力を評価する上では、納得感を高めるために、技術者同士の評価会を開いている会社もあります。

スタートアップにとって、イノベーションを生み出す人材をどう生かしていくか苦心して改善を重ねてきています。次回以降、さらに評価制度についてみていきたいと思います。
よろしくお願いいたします。

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