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2020年07月23日 (木)コラム

新しい在留資格「特定技能」のご紹介

HRプラス社会保険労務士法人の木村です

前回の外国人雇用についてのコラムの中でいくつか在留資格についてご紹介させていただきましたが、今回は2019年4月に新設された在留資格「特定技能」に触れたいと思います。

 

1「技能実習」と「特定技能」の違い

技能実習制度の目的は、協定国の方に日本の高い技術を現場での実習を通じて身につけてもらい母国でその技術を広めてもらうことであり、いわば国際貢献の一つです。そして技能実習生は実習終了後必ず母国に帰らなければなりませんでした。

一方で、「特定技能」は日本の働き手不足を補うことを目的としており、この在留資格創設によって技能実習生は実習修了後も在留が可能になりました。

 

2「特定技能」の対象分野と特徴

「特定技能」には1号と2号があります。

・特定技能1号

特定産業分野 :介護,ビルクリーニング,素形材産業,産業機械製造業,電気・電子情報関連産業,建設,造船・舶用工業,自動車整備,航空,宿泊,農業,漁業,飲食料品製造業,外食業 (14分野)

在留期間   :1年,6か月又は4か月ごとの更新,通算で上限5年まで

技能水準   :試験等で確認(技能実習2号を修了した外国人は試験等免除)

日本語能力水準:生活や業務に必要な日本語能力を試験等で確認(技能実習2号を修了した外国人は試験等免除)

家族の帯同  :基本的に認めない

 

・特定技能2号

特定産業分野 :建設,造船・舶用工業(2分野のみ)

在留期間   :3年,1年又は6か月ごとの更新 ,永住権取得も可能

技能水準   :試験等で確認

日本語能力水準:試験等での確認は不要

家族の帯同  :要件を満たせば可能(配偶者,子)

 

3「特定技能」資格の現状

「特定技能」の在留資格新設から1年以上が経ちますが、当初政府が見込んでいたほどの人数には達していないのが現状です。2020年3月現在「特定技能」資格での在留外国人数は3,987人で、特定技能2号で在留する外国人はまだいません。この数字は、政府が初年度に想定していた1割にも届きません。

政府は特に人手不足が深刻な14の分野で外国人人材を受け入れようとこの資格を創設しましたが、先日方針原案をまとめるにあたりさらに分野を広げコンビニエンスストアを追加することが議論されました。ですが結局はこの追加明記は見送られ、対象業種の拡大に関し「適切に検討する」と盛り込まれるにとどまりました。

「特定技能」資格在留者数の伸び悩みの原因としては、制度の周知が不十分だったことや最大5年まで在留が伸びたとはいえ最後は帰国しなければならないこと(特定技能1号)、資格取得により賃金が上がり雇用する企業側にもためらう側面があったことなどが挙げられます。

そして、今後については新型コロナウイルス感染拡大も大きく影響しています。特定技能試験の中断、海外での合格者や帰国した技能実習生の呼び寄せも延期、待機状態にあります。

試験は順次再開されてきており、政府は2020年4月から「短期滞在」の在留資格により入国した人にも受験機会を与えるとし受験資格を拡大しました。それでも今後の見通しは不透明だと言わざるを得ません。外国人労働者の存在は日本の労働力不足解消には欠かせませんので、今後も「特定技能」資格の動向に注目していきたいと思います。

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