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2020年07月30日 (木)コラム

スタートアップ企業と人事評価制度(2)

1.はじめに 

前回に引き続き、人事評価制度について、楠が書かせて頂きます。

2.人事制度づくり

まずは、心構え的なことのご紹介です。毎年春になったら桜の花が咲くように、生きとし生けるものはすべてやる気に満ちているはずが、それが現れないのは環境が阻害しているからだと信じる事。

現実に起こって目に見えていることは、見えないこと(氷山の下)で動いているという認識を持つことが重要で、出来事には往々にして一定のパターンがあり、そのパターンは構造や環境から生み出され、その構造は人のこびりついた価値観から生み出されます。例えば、ハラスメントは、個人の問題だけでなく、組織風土や人の意識が土壌で発生します。社員とのトラブルが絶えない会社には、社員だけでなく、やはり会社にも何かしらの問題があるのかもしれません。

経営の課題は様々な要素が絡む複雑なことであり、例えば、残業が多いということは、経営方針、商習慣、上司の態度(ふとした一言)、本人の能力経験、協力体制、設備、情報の流れなど多くが影響し合っています。原因はここに違いないと決めつけたりせずに、どこが問題なのかを話し合い、一緒に考えて探求することが大切です。

人事制度は、これだ!とすぐに解決策に飛びつくと、タイムラグをへて、思いもよらない新たな問題(副作用)を生むことがあります。又、人には限定合理性(自分が認識している範囲でしか、合理的に判断することができない)があり、自分の目に見えていないことがある、ということを自覚しないといけません。

3.制度と運用

人事制度は会社に取って、重要な骨格なようなものであり、成長に欠かせないものです。人事制度を整えることで、事業が順調に進むようになってきたとお客様からそのような話を伺いました。

制度2割、運用8割という言葉があるように、制度だけはうまく回りません。経営者と管理者のコーチングやファシリテーションの力量向上は必須です。しかし、実際には、マインドとスキルが不足していることがあります。ダメ出しをしてしまう。聞いているふりだけして、結局自分が言いたいことだけを言っている。評価制度の中で、週次での1対1ミーティングなどの面談を行う会社が増えていますが、逆にハラスメントの温床になってしまう懸念があります。本来はコミュニケーションの機会をつくり、相手のことを理解し、せっかくの育成の場なのですが・・・。一方的な話でなく、部下の発言を促せる安心な場にしていく必要があります。

アサーションという言葉あります。コミュニケーションにおいては、大まかに表現すると伝える力と聞く力の2種類がポイントとなります。ごく当たり前の考えかもしれませんが、これをいかに研ぎ澄ませられるかがとても大切で、自分の気持ちを率直に伝えつつ、なおかつ相手の気持ちも考えられるということです。自分が意見を主張することが多いのか、聞き役が多いのか、人ぞれぞれ性格によっても異なりますので、スキルを習得していくことも必要だと言われています。

上記のようなコミュニケーションスキルは必要だと思います。ただ、それ以前に、人には本来はやる気があるはずだ、それが出てこないのは何が原因なのだろうかと信じる事、プラス志向、良かれと思って始めた制度にも副作用が出てしまう事、そしてそれを改善しようと誰もが率直に言える社内風土であること、人間は自分の目で見えている範囲で判断しがちであることを自覚して、問題解決にあたることなどが大切ではないかと思います。

健全で、持続可能な成長にお役立ちできればと思っております。以上です。

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