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2020年08月20日 (木)コラム

新型コロナウィルス感染症に関する母性健康管理措置

こんにちは、HRプラス社会保険労務士法人の北代です。

今回は新型コロナウィルス感染症に関する母性健康管理措置についてお届けしたいと思います。

働く妊婦の方は、職場の作業内容等によって、新型コロナウイルス感染症への感染について不安やストレスを抱える場合があります。 こうした方の母性健康管理を適切に図ることができるよう、男女雇用機会均等法に基づく母性健康管理上の措置として、新型コロナウイルス感染症に関する措置が新たに規定されました。

母性健康管理措置とは

男女雇用機会均等法により、妊娠中・出産後1年以内の女性労働者が保健指導・健康診査の際に主治医や助産師から指導を受け、事業主に申し出た場合、その指導事項を守ることができるようにするために必要な措置を講じることが事業主に義務付けられています。

この母性健康管理措置の対象者は正規雇用のみならず、非正規雇用の労働者も対象となります。なお派遣労働者については、派遣元事業主及び派遣先事業主のいずれについても母性健康管理措置の措置義務があります。

今回、令和2年5月7日~令和3年1月31日の期間、以下の措置が新たに規定されました。

※令和2年8月1日現在の対象期間であり、状況によっては期間の変更の可能性あり

■新型コロナウィルス感染症に関する措置について

妊娠中の女性労働者が、保健指導・健康診査を受けた結果、その作業等における新型コロナウィルス感染症への感染のおそれに関する心理的なストレスが母体又は胎児の健康保持に影響があるとして、主治医や助産師から指導を受け、それを事業主に申し出た場合、事業主は、この指導に基づいて必要な措置を講じなければなりません。

指導の例:感染のおそれが低い作業への転換又は出勤の制限(在宅勤務・休業)

■「母性健康管理指導事項連絡カード」の活用

事業主が母性健康管理の措置を適切に講ずることができるように、女性労働者に対して出された医師等の指導事項を的確に事業主に伝えるための「母性健康管理指導事項連絡カード」を利用しましょう。

新型コロナウィルス感染症に関する母性健康管理措置が必要な場合には、主治医等がカード裏面の「特記事項」の欄に指導内容を記入することになっています。

■措置について

事業主が講じる措置の具体的な内容については、企業内の産業医等産業保健スタッフや男女雇用機会均等推進者の助言に基づき、女性労働者と話し合って定めることが望ましいとされています。

また心理的なストレスへの対応として、通勤緩和の措置(時差通勤(フレックスタイム制度の適用を含む。)、勤務時間の短縮、交通手段・通勤経路の変更)も含まれ得ます。

この通勤緩和の措置が必要な場合には、母健連絡カードの4の「その他の指導事項」の「通勤緩和の措置」欄に〇が記載されます。

■休業中の賃金について

新型コロナウィルス感染症に関する母性健康管理措置として休業が必要な場合、休業中の賃金をどのようにするかについては個々の事業主に任されていますが、当該措置として休業が必要とされた妊娠中の女性労働者のために有給の休暇制度を設けて取得させる事業主を支援する新たな助成金(新型コロナウィルス感染症に関する母性健康管理措置による休暇取得支援助成金)が創設されました。

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_11686.html

なお雇用調整助成金の対象事業主が妊娠中の女性労働者を休業させ休業期間中に手当を支払った場合には雇用調整助成金の対象になる場合もありますが、この場合、同一労働者について同一の日に上記の新たな助成制度の対象となる「休暇」と雇用調整助成金の対象となる「休業」が重なることはないため、これらの助成金を重複して受給することはできませんので、ご注意ください。

■最後に

現時点では、新型コロナウィルスについては不明な点も多いですが、一般的に、妊婦の方が肺炎にかかった場合には、妊娠していないときに比べて重症化する可能性があります。感染の広がりに不安な気持ちをかかえていらっしゃる方もいるかと思われますので、適切な措置を講ずるためにも「母性健康管理指導事項連絡カード」の活用をしていただければと思います。

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