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- 2020年09月16日 (水)コラム
職場におけるコロナハラスメントの防止
こんにちは。HRプラス社会保険労務士法人の大谷です。
今回のコラム「ハラスメントシリーズ」は、職場におけるコロナハラスメントの防止についてご説明いたします。
◆コロナハラスメントの実態
新型コロナ感染症の拡大にともない、ハラスメントの一種としてコロナハラスメント(コロハラ)が注目を浴びています。
例えば
①マスクをしていたが喘息のため咳をしたら、喘息のことを知っているはずの上司から「周囲を不安にさせたから謝るように」と嫌な顔をされた。
②体調不良で数日休んで回復後出勤したら、会社から新型コロナに感染していると疑われ、「病院から新型コロナに感染していないという診断書(陰性証明)を持ってこなければ会社に来るな」と言われた。
③感染者の多い地域から通勤していると、職場の仲間たちから「感染しているのに出社している」「怖いので近寄らないでほしい」と言われた。
というような「嫌がらせ」「いじめ」が増えていますが、法的にはパワーハラスメントとして捉えることができます。すなわち、パワハラの6類型でいう「精神的な攻撃」「過大な要求」「人間関係からの切り離し」に該当しうるものです。
◆コロハラを引き起こす心理
平時よりパワハラが行われてはならないのは当然ですが、コロナ禍の現在においては精神的な余裕がない人が経営者・社員を問わず増えてきており、普段では言わないような発言をしがちです。人は欲求不満の状況に陥りストレスがたまると、攻撃的になったり物事に固執することになります。新型コロナウイルスは、人々にこれまで経験したことのない不安と恐怖、そして我慢を強いています。このフラストレーションに耐えられなくなると、不安は怒りの感情に変容し、モノやヒトに当たってしまうのです。職場の人間関係がギスギスし、コロハラに限らずハラスメントが起きやすい状態となり、就業環境が悪化する危険性が高くなります。
◆職場のコロハラ対策
以上のようなことから、会社としてコロハラの原因となる社員の不安心理を取り除くための対策を以下に挙げます。
(1)感染対策を徹底する
①オフィス内の「三密」を回避し、ソーシャルディスタンスを確保する。
具体的には
動線・勤務時間・作業人数を工夫する
一定時間でこまめに換気を行う
会議は長時間にならないようにする
オンライン会議を取り入れる
②こまめな手洗いや消毒を励行させる
③マスク着用を義務付ける
④食事をする休憩室などの机上消毒を実施する
(2)新型コロナ感染症についての正しい知識を周知する
産業医や保健スタッフ等と連携を取り、社員への感染症に関する正確な情報提供の機会を設けることで「誤解」からくるコミュニケーションギャップをなくす。同時に、ハラスメントやメンタルヘルスに関する制度や知識もハラスメントの発生を未然に防ぐ効果があります。
(3)相談体制を周知する
不安を抱えながら仕事をする社員の心のケアも組織として重要な役割となります。ハラスメントが発生してからの相談窓口というよりも、不安な気持ちを丁寧に聴き、会社の対応や取り組みなどを説明することになると思います。問題が大きくなる前に早期に対処することで防止することができます。
◆最後に
コロナ禍では誰もが出口の見えない不安と戦っています。こういう時こそ、お互いの立場を理解するためにも職場内コミュニケーションをしっかりとっていきましょう。
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