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2020年11月12日 (木)コラム

新型コロナウイルス感染に関する労災補償について

こんにちは。HRプラス社会保険労務士法人の須永です。

一度は落ち着いていた新型コロナウイルス感染症ですが、寒い乾燥した季節が始まると共に、また新規感染者数が増えてきています。今回は、従業員が新型コロナウイルスに感染した場合の労災補償について、ご紹介します。

 

●新型コロナウイルス感染症は労災として認められる

労働者災害補償保険法(略して、一般的には労災と呼ばれています)では、「業務上」または「通勤に伴う」負傷・疾病・障害・死亡について、保険給付が行われます。

そのため、従業員が「業務に起因して」、新型コロナウイルスに感染した場合には、労災の保険給付を申請することが可能となっています。

 

●「業務に起因して」感染したと認められる場合

具体的な取り扱いについて、令和2年4月28日付で通達が発出されています。

概要は下記のとおりです。

(1)国内の場合

■医療従事者等(医師・看護師・介護従事者等)

医療従事者等が新型コロナウイルスに感染した場合は、業務外で感染したことが明らかな場合を除き、労災の対象となります。

■医療従事者等以外の労働者であって感染経路が特定された場合

感染源が業務に内在していることが明らかな場合は、労災の対象となります。

例) 新型コロナウイルスの感染者が来店したことが確認された飲食店の従業員の方が

感染し、同僚労働者の感染も確認される等、クラスターが発生したと認められた場合 等

■医療従事者等以外の労働者であって感染経路が不明な場合

感染経路が特定されない場合であっても、感染リスクが相対的に高いと考えられる業務(①②)に従事し、業務で感染した蓋然性が高いものと認められる場合は、労災の対象となります。

①複数の感染者が確定された労働環境下での業務

②顧客等との近接や接触の機会が多い労働環境下での業務

例) 店頭での接客業務に従事していた労働者が感染し、感染経路は特定されなかったものの、 発症前14日間に日々、十数人と接客し、商品説明等を行っていた / 私生活での外出は日用品の買い物や散歩等で私生活における感染リスクは低いと認められたことから、業務により感染した蓋然性が高いとして、労災保険給付の対象となった。

(2)国外の場合

■海外出張労働者

出張先国が多数のコロナウイルス感染症の発生国であるとして、明らかに高い感染リスクを

有すると客観的に認められる場合は、労災の対象となります。

■海外派遣特別加入労働者

国内労働者に準じて判断。

 

●新型コロナウイルス感染症に係る労災請求件数

最新の令和2年11月9日18時時点で公表されている、新型コロナウイルス感染症に係る労災の状況は下記のとおりです。

・請求件数 → 1,880件

・決定件数 → 967件

・決定件数のうち、労災が支給された件数 → 943件

 

●まとめ

上記のとおり、仕事に起因して従業員がコロナウイルスに感染してしまったという場合には、労災保険の給付を申請することが可能です。もちろん、社内の感染症対策も重要ですが、いざという場合、どんな時に労災保険を使うことができるのか、よく確認しておきましょう。

参考) 新型コロナウイルス感染症に係る労災認定事例

https://www.mhlw.go.jp/content/000647877.pdf

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