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2021年02月04日 (木)コラム

労働者派遣契約の中途解除

こんにちは、HRプラス社会保険労務士法人の星野陽子です。

現下の新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受け、離職者や休職者が増加するなど、厳しい雇用情勢となっています。こうした中で、労働者派遣契約においても、中途解除や契約の不更新が増えており、派遣労働者の雇用にも影響を与えています。

派遣先の都合による労働者派遣契約の中途解除については、労働者派遣法や「派遣先の講ずべき措置に関する指針」(派遣先指針)により制約を受けますので、今回は、この労働者派遣契約の中途解除について確認していきましょう。

派遣先の都合で、労働者派遣契約を中途解除する場合には、以下を守る必要があります。

■労働者派遣契約の解除の事前申し入れ(派遣先指針)

派遣先は、派遣元の合意を得ることはもとより、あらかじめ相当の猶予期間をもって派遣元に解除の申入れを行うことが必要です。

■派遣先における就業機会の確保(労働者派遣法第29条の2、派遣先指針)

派遣先は、派遣先の関連会社での就業をあっせんするなどにより、派遣労働者の新たな就業機会の確保を図ることが必要です。

■労働者派遣契約の解除に当たって講ずべき措置(労働者派遣法第29条の2、派遣先指針)

1.派遣労働者の新たな就業機会の確保を図ることができないときには、少なくとも中途解除によって派遣元に生じた損害の賠償を行うことが必要です。この損害賠償は、例えば、次のように行う必要があります。

A)派遣元が派遣労働者を休業させる場合は、休業手当に相当する額以上を賠償

B)契約解除の申し入れが相当な猶予期間をもって行われなかった場合に派遣元がやむを得ず解雇する場合は、次の賃金に相当する額以上を賠償

●派遣先の予告がないために派遣元が解雇予告ができなかったときは、30日分以上

●解雇予告の日から解雇までの期間が30日に満たないときは、当該解雇の30日前の日から当該予告の日までの日数分以上

2.派遣先は派遣元と十分に協議した上で適切な善後処理方策を講じることが必要です。

3.派遣先は、派遣元から請求があったときは、中途解除を行った理由を派遣元に対し明らかにすることが必要です。

 

事業活動に大きな制約を受ける今、このような急激な事業変動の影響を受けやすい派遣労働者は、解雇や雇止めにより、生活の基盤となる仕事を失うおそれがあります。派遣労働者の雇用の安定を図るためにも、労働者派遣契約の安易な中途解除は行わないよう、厚生労働省も呼び掛けています。

しかしながら、やむを得ず、労働者派遣契約の中途解除を行う場合には、上記の内容に適切に対応するようにしましょう。

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