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2021年02月18日 (木)コラム

「オワハラ」について

こんにちは。HRプラス社会保険労務士法人の大谷です。

今回のコラム「ハラスメントシリーズ」は、人事担当者では新卒採用の時に話題になる「オワハラ」について説明いたします。

◆オワハラとは

私がハラスメント研修の講義をする際に、受講者の方に「パワハラ、セクハラ以外にどんなハラスメントがあるか思いついたものを書けるだけノートに書いてみてください」、とクイズを出すことがあります。そうすると若い方ほど沢山の「ハラスメント」を書き出す傾向にあります。「マタハラ」「パタハラ」「アルハラ(アルコール飲料を強制するハラスメント)」「スモハラ(たばこの臭いのハラスメント)などなど。その中に、時々ですが「オワハラ」を回答する入社1、2年目の若手社員がいます。

一方、管理職を対象とした研修では「オワハラってご存知ですか?」と向けても、みなさんキョトンとしてるのが圧倒的多数です。

では「オワハラ」とは、どのようなものなのでしょうか?

これは法律上の定義はありません。ただ、就活生の中では「就職活動終われハラスメント」として知られ、「採用活動を行う企業が就活生に対し、他企業の選考活動を終えるように様々な方法でプレッシャーを与える行為」を言います。たとえば、採用担当者が就活生に対して「就職活動の終了を明言し今後他社の面接・試験には行かないと約束することを条件に内々定を出す」というような発言です。就活生の就職活動のSNSでは、企業名・採用担当者・オワハラの内容が書き込まれ、風評リスクにつながるものです。

◆若者雇用促進法の指針改正の動き

ただ、この「オワハラ」、パワハラ防止対策の法制化(昨年6月の改正労働施策総合推進法施行に至る様々なプロセス)において話題となり、厚労省ではついに昨年12月8日の第23回労働政策審議会(人材開発分科会)で審議がなされました。そして1月23日の第24回の会合において「青少年の雇用促進等に関する法律(いわゆる「若者雇用促進法」)」に関する事業主等指針の改正案が提示されました。

この法律は、若者の適切な職業選択の支援に関する措置、職業能力の開発・向上に関する措置等を総合的に規定した法律で平成27年10月1日に施行されたものです。今回はこの法律に基づき定めている指針の「事業主等が青少年の募集・採用に当たって講ずべき措置」に、以下の規定を加えるものです。

(採用内定・労働契約締結に当たって遵守すべき事項等)

採用内定又は採用内々定を行うことと引替えに、他の事業主に対する就職活動を取りやめるよう強要することなど青少年の職業選択の自由を妨げる行為や、青少年の意思に反して就職活動の終了を強要する行為については、青少年に対する公平・公正な就職機会の提供の観点から行わないこと。

まさに「オワハラ」を禁止しています。

なお、改正指針案には、この「オワハラ」に関わる事項以外にも

・募集情報提供事業者における個人情報管理

・入社辞退等勧奨の防止対策

・ハラスメント問題への対応

を新たに定めるとしていますので、関心のある方は以下の厚生労働省労働政策審議会(人材開発分科会)のサイトをご覧になってください。

https://www.mhlw.go.jp/content/12602000/000726008.pdf

◆最後に

指針案について今後どのような議論が交わされ、最終的に発出されるのか注視していきたいと思います。ただ、いずれにせよ企業側が就活生に対して「オワハラ」を行うことは、若者が安定した雇用の中で経験を積みながら職業能力を向上させ、働きがいを持って仕事に取り組んでいくことができる社会を築いていくうえで大きな阻害要因になることと思います。企業活動においてもパワハラ・セクハラと同様、様々な問題を引き起こすことでしょう。ぜひとも採用活動に携わる方は気をつけてください。

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