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2021年05月10日 (月)人事制度設計

等級制度について

こんにちは。HRプラス社会保険労務士法人の大谷です。

連載2回目のコラム「人事制度設計」では、「等級制度」についてご説明いたします。

 

◆等級制度の意義について

前回のコラムで人事制度は「等級制度」「評価制度」「報酬制度」の3つの仕組みで構成されるとお伝えしました。そして等級制度は、能力レベルや職務内容などを基準とした「等級」を定めて、従業員の社内での位置づけを決める仕組みであるとご説明いたしました。

この等級制度には、次のような意義があります。

①処遇の基準を明確化して、人事に対する公平性と納得性を高める。

②発揮すべき能力や果たすべき役割を社員に示すことで組織運営の効率化を図る。

③昇格するために必要な能力・技能・経験などを具体的に示して、社員の自発的なキャリア開発を促す。

つまり、人事制度の基本的な柱となるもので、これに基づいて評価内容や処遇(報酬)が決まり、人材育成・キャリア形成などにもつながります。

 

◆等級制度の構成

等級制度は、以下の要素で構成されています。

(1)等級(資格・職階)

社員の社内における位置づけを示すもので、これに基づいて給与(基本給)などの処遇が決まります。等級の決定基準は「職能要件書」や「職務記述書」に記載されます。

(2)役職・職位

「部長」「課長」といった組織上の役割(ポスト)を示すもので、原則として、部下を統括管理する部門の責任者に与えられます。

(3)(対外)呼称

いわゆる「肩書」で、役職が付与されている者から役職が付与されていない者に対して広く与えられています。役職者でない場合「参事」「担当課長」などが見受けられます。

これら以外にも、「営業職」「事務職」「技術職」といった「職種」や「管理職」「専門職」との区分を「職掌」とする場合もあります。

 

なお、等級制度には昇格基準として、上位等級に昇格するための要件(昇格に必要な在級年数、人事評価要件など)を定めたものが策定されます。また、各等級に昇格する標準的な年齢(モデル昇格年齢)が示されることもあります。

 

◆等級制度の3分類

等級制度において社員を序列化する基軸には、大きく「能力」「職務」「役割」の三つがあり、以下の通り分類されます。(複数の等級制度を併用するケースもあり)

①職能等級(資格)制度

②職務等級制度

③役割等級制度

 

<各制度の概要>

①職能等級(資格)制度

社員が仕事に対する能力をどれだけ持っているか見極める制度。職能とは「職務遂行能力」の略称であり、分類の対象となるのは能力を持つ対象者である社員、つまり「人」です。

②職務等級制度

仕事を細かく分解し、それぞれが会社に与える効果などの価値別に分類した上で、支払う賃金額などの基準に用いる制度。分類の対象となるのはあくまでも「仕事」であるため、社員の価値は加味されないことが特徴となります。

③役割等級制度

職能と職務をあわせもった「役割」という考え方をもとにランク付けを行う制度のことで、ミッショングレード制度ともいいます。職務等級制度のもととなる「仕事」の難易度に加え、職能等級(資格)制度の「人」の能力もあわせた内容、つまり会社が社員に期待する「役割」の序列化します。

次回はそれぞれの等級制度について具体的な内容を説明したいと思います。

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