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2021年05月20日 (木)未分類

【IPOコラム】第2回「証券取引所の種類と東証市場区分の改革」

こんにちは。HRプラス社会保険労務士法人の特定社会保険労務士 佐藤広一です。今回は、『証券取引所の種類と市場区分改革』をテーマについてです。

日本の株式市場は、下記のとおり、「東京証券取引所」「名古屋証券取引所」「札幌証券取引所」「福岡証券取引所」の、4つの取引所で成り立っています。

1.東京証券取引所
・東証一部
・東証二部
・東証マザーズ
・JASDAQ(スタンダード、グロース)
・TOKYO PRO Market
2.名古屋証券取引所
・名証一部
・名証二部
・セントレックス
3.札幌証券取引所
・本則市場
・アンビシャス
4.福岡証券取引所
・本則市場
・Q‐Board

とりわけ、我が国最大の株式市場である東京証券取引所については次のとおり市場区分が整理されています。

(1)市場第一部・市場第二部
市場第一部・市場第二部は、国内外を代表する大企業・中堅企業が上場する日本の中心的な株式市場です。特に、市場第一部は海外投資家が売買の太宗を占める国際的な市場として、市場の規模や流動性においても世界のトップクラスの市場です。なお、市場第一部及び市場第二部を総称して「本則市場」といいます。
(2)マザーズ
マザーズは、近い将来の市場第一部へのステップアップを視野に入れた成長企業向けの市場です。そのため、申請会社には「高い成長可能性」を求めています。申請会社が高い成長可能性を有しているか否かについては、主幹事証券会社がビジネスモデルや事業環境などを基に評価・判断します。多くの成長企業に資金調達の場を提供するという観点から、その上場対象とする企業について、規模や業種などによる制限を設けていません。マザーズ上場後、多くの企業が市場第一部にステップアップしています。
(3)JASDAQ
JASDAQは、1.信頼性、2.革新性、3.地域・国際性という3つのコンセプトを掲げる市場です。また、一定の事業規模と実績を有する成長企業を対象とした「スタンダード」、特色ある技術やビジネスモデルを有し、より将来の成長可能性に富んだ企業群を対象とした「グロース」という2つの異なる内訳区分を設けています。
(4)TOKYO PRO Market
「プロ投資家」に限定することにより、自由度の高い上場基準・開示制度を実現。株主数や利益の額など、上場時に求められる 数値基準がなく、東京証券取引所から認証を受けたJ-Adviserが上場適格性の有無を判断します。また、新規上場時の監査証明が1年間で足りるうえ、四半期開示や内部統制報告制度の適用は任意であることなどから、現在の持株比率を維持しつつ上場が可能なため、弾力的な資本政策が可能であるとされています。

ところが、東証において長らく続けられてきた上記の区分が変更されることとなり、2022年4月4日から、「プライム市場」、「スタンダード市場」、「グロース市場」の3つの市場区分となることが予定されています。

東証WEBサイト

今回の見直しの背景には、東証一部上場企業の数が2,191社(2021年4月1日現在)にまで膨れ上がり、我が国の最上位市場としてクオリティが低下してきていることがあるようです。

そこで東証は、各市場区分のコンセプトに応じ、時価総額(流動性)やコーポレート・ガバナンスに関する基準を定めるほか、各市場区分のコンセプトを反映した定量的・定性的な基準を設けられることになります。

そして、各市場区分は、それぞれ独立しているものとし、現在の一部指定基準・指定替え基準・市場変更基準のような「市場区分間の移行」に関する緩和された基準は廃止されることになりました。これまで時価総額10億円でマザーズに上場し、40億円に達した時点で東証一部へ市場変更する、というゴールデンルートを歩むことができなくなり、異なる市場区分への移行を希望する場合には、移行先の市場区分への上場を申請し、新規上場基準と同様の基準による審査を受けなければならなくなります。

つまり、成長市場である「グロース市場」に上場しても、「プライム市場」に市場変更するためには、改めて時価総額250億円を実現しないと上場審査を受けられないわけです。これにより、上場戦略の見直しが求められ、よりIPOの目的が問われることになるものと考えられます。

HRプラス社会保険労務士法人では、東京渋谷区恵比寿に拠点を構え、豊富なIPO支援実績と高い情報収集力に基づき、労務デューデリジェンスの実施や引受審査、上場審査に対応しております。お気軽にお問合せください。

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