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2021年07月30日 (金)コラム

知ってて安心!労災保険 ②仕事中の怪我はすべて労災?

こんにちは、HRプラス社会保険労務士法人の太田です。

前回のコラムでは業務災害について、「仕事に関連するけが、病気、死亡に対する保険」とご紹介しました。
しかし、仕事中に起こったけがや病気がすべて業務災害となるわけではありません。
認定のポイントは「業務遂行性」と「業務起因性」です。

今回は認定ポイントの1つ目、「業務遂行性」についてお話します。

■業務遂行性とは
業務遂行性とは、わかりやすく言えば「会社の指示に基づいて仕事をしている状態にあったか」です。
これは仕事中か休憩中か、事務所内か屋外かといった単純なものではなく、
それぞれの状況に応じて個別に判断されます。

業務遂行性を判断する際には、以下の3つを軸にして考えます。
・事業主の支配下にあったか
・事業主の管理下にあったか
・業務に従事していたか

■事業主の支配・管理下にあり、業務に従事していた
労働者が業務時間中に、事業場内で仕事をしているケースがこれに該当します。
工場での仕分け作業中に怪我をした、事務所の棚から荷物が落ちてきて怪我をしたなど、
一般的に「業務災害」と聞いてイメージされるのはこのパターンではないでしょうか。
これらは業務そのものや施設の管理などが原因であり、多くのケースで業務災害として認定されます。
一方で業務時間中に事業場内で起こった事故であっても、
業務と全く関係の無い私的な行動や故意によるもの、個人的な恨みによる第三者からの暴行などは
業務災害として認められません。

■事業主の支配にはあるが、管理下を離れた状態で業務に従事していた
出張中や業務命令による外出など、事業場外で仕事をしているケースがこれに該当します。
このケースでは出発してから戻るまでの過程全般が業務と捉えられるため、
食事中や移動中、また宿泊先での事故なども原則として業務災害となります。
ただし、知人に会いに行く途中で事故にあった場合など、
明らかに個人的な行為による場合は業務災害として認められません。

■事業主の支配・管理下にあり、業務に従事していない
昼休みや始業前、終業後などに事業場内にいるケースがこれに該当します。
業務に従事していない以上基本的には業務災害として認められませんが、
事業場の設備や管理の問題により発生した事故などは対象となります。
例えば施設内の階段が滑りやすくなっており、
昼休みにそこを通行して怪我をした場合などは業務災害として認められます。
同じ昼休みの出来事であっても、外出中に交通事故にあった場合などは認められません。

このように、一口に「業務災害」といってもその発生状況は様々であり、それぞれの状況に応じて個別に判断されます。
例えば退勤後の宴会などは業務災害とは無関係なように思えますが、
参加について明確な業務命令があったか、開催の目的は何か、
費用は会社が負担していたか等により業務災害として認められる場合もあります。
業務災害の認定は非常に奥が深いのです。

今回は労災の認定ポイント、「業務遂行性」についてお話しました。
個別の事例などはまた別の機会にご紹介いたします。

次回は認定ポイントの2つ目、「業務起因性」についてお話します。

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