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2021年09月04日 (土)未分類

派遣先における派遣労働者の労働時間の管理について

こんにちは、HRプラス社会保険労務士法人の星野陽子です。

さて、派遣労働者にも当然に労働基準法等の労働関係諸法令が適用され、原則として、派遣労働者と労働契約を交わしている派遣元がその責任を負うことになりますが、派遣労働者が実際に就労するのは派遣先であり、派遣先が派遣労働者に指揮命令をして業務を行わせるため、派遣先においても労働関係諸法令の責任の一部が負わされます。

今回は、派遣先が負う労働基準法の責任のうち、特に問題になりやすい労働時間に関して、確認していきましょう。

  • 就業条件の決定
    労働者派遣の場合、派遣先における就業条件は、派遣会社と派遣先との間の労働者派遣契約で定められます。派遣先は、労働者派遣契約で定められた就業条件の範囲内で、派遣労働者を指揮命令して働かせることができるわけです。派遣先は、労働者派遣契約で定めた就業日、就業時間、時間外労働の限度を守らなければなりませんから、派遣労働者を指揮命令する者等に派遣労働者の就業条件を周知するなど、適切な措置を講じなければなりません。
  • 労働時間の管理
    労働基準法の労働時間、休憩、休日に関する規定の義務は、派遣先が負うこととされています。そのため、派遣先は、労働者派遣契約で定めた就業日、就業時間、時間外労働の限度を守らなければなりません。
    1日8時間、1週40時間を超えて派遣労働者を労働させるためには、36協定を締結・届け出る必要がありますが、派遣労働者に関する36協定の締結・届出は派遣元が行うこととされています。派遣元が36協定を締結し、これを所轄労基署長に届け出た場合に、はじめて派遣先はその協定で定める限度内で時間外・休日労働をさせることができるのです。
  • 労働時間の適正な把握
    さて、上述のとおり、派遣先は、派遣労働者の労働時間の管理を行わなければなりませんが、労働時間の把握に際しては、「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」(平成29年1月20日策定)を理解する必要があります。
    このガイドラインでは、以下のような内容がまとめられています。
    ・使用者は、労働者の労働日ごとの始業・終業時刻を確認し、適正に記録する
    ・原則的な方法は、
    ① 使用者が、自ら現認することにより確認すること
    ② タイムカード、ICカード、パソコンの使用時間の記録等の客観的な記録を基礎として確認し、適正に記録すること
    ・やむを得ず自己申告制で労働時間を把握する場合は、
    ① 自己申告を行う労働者や、労働時間を管理する者に対しても自己申告制の適正な運用等ガイドラインに基づく措置等について、十分な説明を行うこと
    ② 自己申告により把握した労働時間と、入退場記録やパソコンの使用時間等から把握した在社時間との間に著しい乖離がある場合には実態調査を実施し、所要の労働時間の補正をすること
    ③ 使用者は労働者が自己申告できる時間数の上限を設ける等適正な自己申告を阻害する措置を設けてはならないこと。さらに36協定の延長することができる時間数を超えて労働しているにもかかわらず、記録上これを守っているようにすることが、労働者等において慣習的に行われていないか確認すること

いかがでしたか。
派遣労働者と雇用契約関係にあるのは派遣元ですが、派遣先においても、労働関係諸法令の責任の一部を負うことになります。
労働時間の管理については、自社で雇用する労働者のみならず、派遣労働者についても適切に管理していきたいですね。

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