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2022年01月12日 (水)コラム

【IPOコラム】第8回「労務監査に関する諸法令と概要①」

こんにちは、HRプラス社会保険労務士法人の早津敦弘です。

『IPO準備会社のHR(人事労務担当者)が担うべき役割と実務』をテーマにコラムを連載しておりますが、今回から「労務監査に関する諸法令と概要」について、次の①~④の項目に分けて数回にわたってご説明いたします。まずは、労働基準行政関連法令の労働基準法です。

①労働基準行政関連法令

  • 労働基準法
  • 最低賃金法
  • 労働者災害補償保険法
  • 労働安全衛生法
  • 労働時間等設定改善法
  • 労働契約法

②職業安定行政法令

  • 雇用保険法
  • 職業安定法
  • 労働施策総合推進法
  • 高年齡者雇用安定法
  • 障害者雇用促進法
  • 男女雇用機会均等法
  • 育児・介護休業法
  • 短時間労働者雇用管理改善法
  • パートタイム・有期雇用労働法(※令和2年4月施行、同一労働同一賃金を含む)
  • 労働者派遣法
  • 外国人労働者の雇用管理改善指針

③その他団体労使関係に関する法令

④社会保険諸法令

  • 健康保険法および厚生年金保険法

 

■労働基準行政関連法令

労働基準行政関連法令には、労働条件、労働契約、福利厚生、災害補償など労使関係を規制する諸法令があり、昨今株式上場の申請に際しては、サービス残業等の未払い賃金をはじめとする労務管理に関する審査が厳しくなっています。上場準備会社において、法令上の問題を抱えている状況では審査は通りません。労働関連法を適切に解釈し、法令遵守しているか、この分野のチェックがIPO審査において最も重要で基本となる法令です。

 

・労働基準法

労働基準法は、憲法第27条第2項の「賃金、就業時間、休息その他の勤労条件に関する基準は、法律でこれを定める」という規定に基づき、1947年に制定された法律で、労働条件の最低基準が定められています。

民法においては契約当事者がその契約内容を自由に決めることができる「契約自由の原則」がありますが、労働契約に関しても原則としてその条件・内容は、契約当事者である使用者と労働者の間での合意により、自由に労働契約内容を決めることができます。ただし、労働契約は使用者側の立場が強くなる傾向があるため、様々な規制が加えられており、その代表的な法令が労働基準法です。労働基準法により、労働契約の最低基準を定めることで、たとえ労働者と使用者の当事者同士での合意があったとしても、その最低基準を下回る労働条件は無効となり、労働基準法に定める基準に引上げられます。

このように、労働基準法は、労働契約の締結に当たり根幹となる法律ですので、労務監査においても労働基準法で定められた内容が遵守されているか否かは、監査項目の主体となります。

労働基準法は、労働条件の原則、労働契約の原則、労働時間、休憩、休日、賃金、年次有給休暇などの内容が定められ、就業規則、36協定などのように労務に関する手続のルールについても定めています。労働条件にかかわる最低基準を定めているという意味では強行法規であり、法令違反については罰則も規定されています。

特に賃金については労使関係においての重要な債権債務関係を定めるものですので、重点的に調査する必要があるでしょう。IPOの審査においては、未払い賃金の有無およびその精算は必ずクリアしなければならない重なポイントであり、労働基準法を正しく理解したうえで、確認する必要があるでしょう。

 

■おわりに

HRプラス社会保険労務士法人は、東京都渋谷区恵比寿に事務所を構え、全国を対象として労務DDを積極的に展開し、豊富な実績のもと上場に向けた支援を行っています。人事労務領域でIPOが躓くことのないよう、早めのご相談をお待ちしております。

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